寿司屋が焼肉店をオープン? 絶不調の焼肉業態に、進出を決めたワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/7 ページ)
すし業態の魚べいが、焼肉店「うま勝」をオープンした。焼肉店の閉店が相次ぐ中、あえて参入した狙いは何なのか?
一本足打法脱却の突破口となれるのか?
ゲンキGDCの2026年3月期第3四半期の連結決算は、売上高約526億円(前年同期比4.7%増)と順調だ。経常利益はコスト高のため約43億円で、前年同期比で23.2%減となった。全国に200店舗ほどある主力の魚べいが好調なうちに次の収益源を作るため、新業態であるうま勝をオープンさせたのだろう。今後は全国のロードサイドを中心に、うま勝の店舗を拡大していく計画だ。
外食業界では、串カツ専業だった串カツ田中ホールディングスがイタリアンファミレス「ピソラ」を買収。新業態の「京都天ぷら 天のめし」や「厚切りとんかつ 厚とん」などの新業態を次々と展開している。
業績が回復してきた「いきなり!ステーキ」のペッパーフードサービスも、ステーキ専業にもかかわらず海鮮居酒屋の「かいり」の買収や、新業態のすき焼き「すきはな」の出店を行った。一瀬健作社長は、「新業態の開発は一から店舗を作っていくため、社員が自ら考え成長するきっかけになる」と、教育上の効果も強調する。
多角化への挑戦は、一本足打法へのリスクヘッジと言えるだろう。人口比で見たチェーンストアの店舗数の限界を考えれば、このように他業態を展開する動きは、外食企業の自衛策の一つの潮流とも見て取れる。
うま勝はゲンキGDCの一本足打法脱却の突破口となれるのか。今後の店舗展開に注目したい。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
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