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「SaaSの死」に続く「コンサルの死」? AIエージェント登場で、株価暴落のコンサル業界はどうなるのか古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(2/4 ページ)

AIエージェントの登場で、コンサルティング業界の株価が暴落した。今後コンサル業界はどのように収益を上げていくべきなのか?

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一時的な不調ではない

 今回の株価の暴落が、過去のパニック相場を彷彿(ほうふつ)とさせる急落と決定的に異なるのは、その後も主要コンサルの銘柄が買い戻される兆しが見られない点だ。つまり株式市場は、現在の状況を単なる一時的な景気循環の問題とは見ていないことを示している。彼らは、SaaS銘柄が直面した「構造的な収益見込みの低下」と本質的に同じ構造だと捉えているのである。

 かつてコンサルティングファームやSIerは、高度な専門知識を持つ「人」が介在することを付加価値としていた。しかし近年、コンサルテーションのノウハウが言語化され、構造化されたことで、標準化が進んだ。かつては経験豊富な人材のみが持ち得た知見がマニュアル化され、若手や新卒コンサルタントが現場で標準化されたサービスを提供する「労働集約型モデル」へと変わっていったのである。


労働集約型モデルからの脱却が急務

 各コンサルティングファームは、この標準化されたサービスを武器に、優秀な人材を大量に確保し、人月単価(1人が1カ月稼働した時の単価)を積み上げることで成長してきた。

 しかし、この「人」を売るビジネスモデルが、近年のAIエージェントの登場によって最大の弱点となってしまったのである。

「人月単価」という弱点

 ここで、前述の「アンソロピックショック」を改めて定義し直してみたい。

 2024年頃までのAI活用は、あくまで「人間の補助」にとどまっていた。しかし、2026年現在のAIは、自ら目的を解釈し、タスクを分解し、実行まで完遂する「自律型エージェント」へと進化している。

 注目すべきは、このAIによる劇的な「生産性向上」が、コンサルティング会社の「収益減少」を招くことだ。

 従来の人月単価に基づく契約モデルでは、AIの活用によってリサーチや資料作成、データ分析の時間が半分になれば、論理的には請求できる報酬は半分になる。クライアント企業からすれば、AIを使えば数時間で終わる作業に対して、若手コンサルタントに月額数百万円の報酬を支払う理由がないのである。

 投資家はこの致命的な構造的欠陥を冷静に見抜いた。ベイカレントやNRIといった企業の株が特定の悪材料なしに売られた事象は、市場全体から「労働集約型の人月モデルは、AIの進化と真っ向から衝突し、いずれ消滅する」と判断された結果であろう。

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