三井住友「Olive」はどこまで広がるか “ナンバーワン連合”で狙う1200万口座:「ポイント経済圏」定点観測(2/3 ページ)
アカウント数700万を突破したSMBCグループの金融アプリ「Olive」。2027年度末の1200万口座を目標に、PayPayやマネーフォワード、SBI証券などナンバーワン企業と連携し、若者中心のサービスから全世代の生活インフラへと守備範囲を広げている。
「次の500万人」は誰か
今回のアップデートは4つ。それぞれを見ていくと、Oliveが狙う「次の500万アカウント」の輪郭が浮かび上がる。
PayPay連携は、最も分かりやすい。伊藤氏は「フレキシブルペイで何でも支払えると言ってきたが、日本にはPayPayしか使えない加盟店がたくさんある」と話す。
Visa加盟店のカバー範囲だけでは届かない日常の買い物シーンを、ユーザー数7200万超のPayPayと手を組むことで補う。VポイントとPayPayポイントの相互交換も3月24日に始まる。開発中のOliveアプリへのPayPay搭載では、PayPay残高からOlive口座への出金は手数料無料とする予定だ。
PayPayに滞留していた資金がSMBC口座に流れ込む導線だ。資金導線の設計としても周到である。
マネーフォワードME機能の搭載は、より切実な課題に応える。給与口座が他行にある、住宅ローンは別の銀行で組んでいるなど、Oliveをメインにしたくても、すべてを移せない人は多い。3年間の運営で痛感した自前の限界が、この連携の背景にある。
他行の残高や明細をOliveアプリから確認でき、口座間の資金移動もドラッグ&ドロップで直感的に操作できる。ことら送金(少額のお金をスマホから簡単に送れる送金サービス)の自動振り分けも加わり、対象となる個人間の10万円未満の送金は、自動的に手数料が無料になる。メインバンクを変えられない人にとっての「金融のダッシュボード」といえる。
SBI証券とのクレカ積立新プランは、別の層に刺さる。クレジットカードで投資信託を購入すれば、Vポイントが貯まるクレカ積立は、月間積立額が1000億円を突破する見込みだ。今回は、Olive限定でポイント付与率を預金残高と連動させた。
円の普通預金100万円ごとにプラス0.1%、最大プラス0.5%を上乗せする。Oliveプラチナプリファードなら最大3.5%になる。「カードは使うが預金口座は他行」という層を、ポイントのインセンティブで預金ごと取り込む設計だ。伊藤本部長も「ビジネスとして預金が重要になってきている」と語る。金利上昇局面で預金の奪い合いが激しさを増す中、投資の入り口から預金を囲い込む。
ヘルスケアは、最もユーザー層の拡張を意識した施策だろう。24時間365日の医療相談チャットとオンライン診療を、ソフトバンクの技術基盤を活用して提供する。Olive会員は最大12カ月無料。「多くのお客さまにとって、人生で大事なものはお金と健康だ」と伊藤本部長は言う。カードの還元率では動かない層を、健康という切り口で取り込む。
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