インタビュー
シニアはなぜ生かされないのか 生涯賃金15%増の会社が変えた“処遇”(4/5 ページ)
シニア就業者が増える一方、企業の3社に1社が60代社員を「過剰」と認識する。背景にあるのは年齢で処遇を下げる制度だ。生涯賃金15%増を実現した企業の事例から、シニア活用の再設計を探る。
役職定年廃止は「入口」にすぎない
業界も制度改革に踏み切った背景も異なるが、太陽生命と大和ハウスが直面する課題には共通点がある。シニアが増える中で、限られたポストをどう配分し、どんな役割を任せるかという問題だ。
太陽生命は、管理職のポスト数が変わらない前提で、5年後、10年後でも維持できる制度を設計。内部監査やサービス部門など受け皿を広げてはいるものの、選択肢は無限ではない。
大和ハウスも、同様の課題を認めている。シニアがマネジメントから専門性発揮や育成支援へ役割を移行し、うまく機能している例がある一方、すべてのケースで円滑に進んでいるわけではなく、調整に時間を要する場面もあるという。
両社の事例が示すのは、役職定年の廃止はあくまで入口にすぎないということだ。仮に廃止しても、シニアに求める役割が変わらなければ、負の循環は温存されたままになる。本質はシニア一人一人の役割を再定義し、それに見合う処遇を設計する「個別最適化」にある。
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