VTuber事務所「エニーカラー」の株価が半減……「売れ残りグッズ」に潜む構造的な課題(4/4 ページ)
好決算なのに売られる──。この一見矛盾した現象の裏側には、VTuberビジネスが抱える構造的なリスクが隠れている。
再現性の罠を壊すための「処方箋」
では、エニーカラーがこの構造的な割安評価から脱却するには何が必要か。
それは、VTuberが引退してもキャラクター自体は生き続けるような契約を行うことだ。
これはVTuber黎明期にも一部で「cTuber」と呼ばれたカテゴリだった。「中の人」はあくまで声優であり、声が変わることすらあった。しかしVTuberのファンにとって到底受け入れられず、長年タブーとして封印されてきた方法でもある。
数百万円、マネジメントコスト込みで数千万円を超える初期投資をかけたキャラクターが一瞬で使えなくなり、在庫損まで出るような既存のVTuberのビジネスモデルには限界がある。
この点、エニーカラーは3Dモデルこそが正義とされてきたかつてのVTuber観をあえて2Dモデル主軸でぶち壊し、今日まで成長してきたという経緯がある。
そう考えると、VTuberビジネスの裾野が当初の原理主義的なファンから通常のアニメの延長線と考える一般的なファンにも広がった今、再考の余地があるはずだ。
アニメ化やグッズ化を通じて、「中の人がいなくてもIPが稼ぐ」状態を作れるかどうかが企業評価を高めるための分水嶺となる。
エニーカラーがタカラトミーとの共同で2027年新春にオリジナルカードゲームの発売を予定しているのは、まさにこの方向性の萌芽といえる。
株式評価は抜きにして、魂を守り抜く安定路線で着実にファンを積み上げるか、もう一段のイノベーションで次の展開を作れるか。
市場の圧力に対し、エニーカラーがどう回答するのか注目したい。
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