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PayPayは、なぜVポイントとつながるのか 1対1交換の奥にある設計「ポイント経済圏」定点観測(3/4 ページ)

PayPayとVポイントの相互交換が開始された。だが、その設計は対等ではなく、金融送客やデータ活用を見据えた戦略的連携だ。ポイントの先で何が起きるのか、経済圏競争の現在地を読み解く。

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本丸はポイントの先にある

 では、この構図の先で両陣営は何を見ているのか。ポイント交換の件数がいくら伸びても、それだけでは大きな収益にはならない。

 非対称な交換設計が向かう先は、Oliveである。SMFGはリテール戦略の軸にOliveを据え、2年半で650万件まで伸ばした。投資家向けには、2028年度にOlive関連収益で800億円超を示している。PayPayという巨大な入口から、Oliveの口座開設やカード登録へユーザーを流し込めれば、その目標に一気に近づく。SMFG側にとって、金融送客こそが最も直接的な動機だ。


三井住友FGはOliveを軸に2028年度で800億円超の関連収益を見込む。PayPay7100万ユーザーとの連携はその「アップサイド」に位置づけられている(三井住友FG「Plan for Fulfilled Growth」投資家向け説明資料より)

 加盟店向けの販促も、無視できない収益源になりつつある。PayPayでは、クーポン経由だけで約6120億円の決済が動いている。ポイントは消費者への値引き手段ではなく、加盟店にとっての送客装置として機能し始めている。Vポイント側も約16万店舗の提携網を持ち、CCCMKは企業向けにVポイントギフトを販促・謝礼に展開する。

 その先にもう一つ、データという大きなテーマがある。2025年5月の提携発表では、決済データ、人流統計データ、外部データを組み合わせた顧客分析や需要予測の開発が明かされた。CCCMKも「ポイントからデータへ」を掲げ、購買・行動データをシングルIDで管理していると説明する。

 決済の頻度と広さ、購買のSKU単位の深さ、人の動き――。異なる種類のデータを一つの陣営が持てば、来店前のターゲティングから再来店までを一気通貫で測る販促モデルが視野に入る。

 ただし、3社横断でどこまでデータを結合するのか、同意取得の設計や匿名化の仕組みは、現時点では公表されていない。

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