なぜパチンコ店の飲食は成り立つのか “3分で出す”とコスト70%のしくみ:インタビュー劇場(不定期公演)(1/5 ページ)
ダイナムのパチンコ店に併設された「めん六や」をご存じだろうか。全国に304店舗を展開しているわけだが、どのようなビジネスモデルで運営しているのか。担当者に話を聞いた。
さて、クイズである。そばチェーンで、最も店舗数が多いのはどこか? 答えは「ゆで太郎」(運営:ゆで太郎システム)で、211店舗を構えている(2025年11月現在)。
では、そばに加えて、うどん、ラーメン、カレーなどを扱い、全国に304店舗(2026年3月時点、一部屋号を変えている店舗あり)を展開する飲食チェーンはどこか? 日本ヒュウマップ(東京都荒川区)が運営する「めん六や」だ。
「めん六や? 行ったこともなければ、聞いたこともないなあ」と感じた人も多いかもしれないが、それも無理はない。同店はパチンコ店「ダイナム」などに併設された店舗で、一般的なロードサイド店や駅前店とは異なる、やや特殊な業態だからだ。
店の特徴は、とにかく「速さ」である。揚げ物など一部を除き、多くのメニューを「3分」で提供している。パチンコを打っていて「ちょっとお腹が空いたなあ。そばでも食べるか」といった客に、できるだけ短時間で食事を済ませてもらって、再びホールに戻ってもらう──。そうした利用シーンを前提に、店を運営している。
一方で、気になる数字がある。ご存じのとおり、パチンコ業界は縮小が続いている。矢野経済研究所のデータによると、店舗数は1995年の1万7600店から、2024年には6450店まで減少した。ほぼ3分の1の規模である。こうした状況が続いているので、パチンコ店にくっついている飲食店は影響を受けるのではないか。
ところが、めん六やは必ずしもそうではない。2025年度の売上高は対前年比102.9%の21億6300万円(見込み)と、堅調に推移している。ただ、この数字を店舗数で割ると、1店舗当たりの年商は約700万円にとどまる。月商にすると、それほど大きな規模とはいえない。
パチンコ店に足を運ばない人にとっては、知られざる存在かもしれないが、どのようなビジネスモデルで成り立っているのか。めん六やの事業を担当する工藤典昭氏に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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