なぜパチンコ店の飲食は成り立つのか “3分で出す”とコスト70%のしくみ:インタビュー劇場(不定期公演)(4/5 ページ)
ダイナムのパチンコ店に併設された「めん六や」をご存じだろうか。全国に304店舗を展開しているわけだが、どのようなビジネスモデルで運営しているのか。担当者に話を聞いた。
コストを重視
森田: 客数も回転率も重要な指標になりますが、めん六やが最も重視しているのは「コスト」なんですよね。例えば、原価率。多くの飲食店は「30%」を目安に運営していますが、当社でもその数字を意識しています。
原価率が高すぎれば、利益がなかなか出にくくなる。一方、低すぎれば、メニューの品質がどうしても悪くなる。そのバランスが大事なわけですが、昨今の物価高騰によって、原価率をどうすれば抑えられるのか。ここが大きな課題になっていますね。
あと、人件費率も重視しています。飲食店は労働集約型なので、この数字はとても重要なんですよね。一般的に、利益率が10%であれば「優秀」と言われていて、当社でも、この数字を重視しています。そのため、「原価率と人件費率を合わせて70%以内」を実現できるように、管理しているんですよね。
土肥: ふむふむ。書籍『飲食店を経営する』(※実際にはありません)に、書いていそうなことを実践しているわけですね。
森田: 原価率の場合、40%を超えているお店もあります。客数が多ければ、人件費率は20%ほどに抑えられる。そうすると、70%以内に収まるので、安定して運営できますよね。
めん六やの場合、商圏は「ダイナム」に限定されています。商圏を広げることはなかなか難しいので、コストを70%以下に抑えることがものすごく重要なんですよね。
以前、とあるパチンコ店に併設している店舗から、次のような相談がありました。「当店の月商は100万円ほどだが、赤字。どうすればいいのか」と。めん六やの場合、月商100万円あれば、10万円の利益がでるような仕組みを整えました。50万〜80万円ほどでも、利益は出るんですよね。
では、なぜ同じような店舗を運営していて、相談に来られた人のお店は赤字だったのか。結論から言うと、「コスト」の意識が大きく違っていました。原材料や人件費の使い方だけでなく、水道・ガス・電気をどのように使っているのか。コンロはどのサイズを使っているのか、空調は適切なのかなど、細かい部分まで見直せていなかったんですよね。
話を詳しく聞いてみると、その店は月商150万円でなければ利益がでない体質になっていました。つまり、損益分岐点を下げるという発想が、少し乏しかったのかもしれません。
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