青山「みんなのスーツ」なぜ売れる? 4万7000着突破の裏にある“引き算”の発想(1/5 ページ)
青山商事の「みんなのスーツ」が4万7000着を突破。スーツ離れが進む中、なぜ売れるのか。低価格とS・M・L表記、部品を削る“引き算”設計でハードルを下げ、新たな需要を掘り起こした。
青山商事が2025年11月に発売した「みんなのスーツ」(1万2980円)が、メンズ・レディース合わせて4万7000着(3月末時点)を突破するなど好調だ。リモートワークの普及やオフィスカジュアルの浸透でスーツ離れが進む中、なぜ売れているのか。人気の背景には、低価格による手に取りやすさと、従来のスーツづくりと異なる発想があった。
みんなのスーツは、SSから3Lまでの11サイズを展開し、表記はカジュアル衣料と同じSML方式を採用している。メンズはブラック、ネイビー、チャコールグレーの無地3色に加え、2026年2月からは千鳥格子のネイビーとグレーを追加。レディースもブラック、グレージュ、ベージュ、ライトグレーの4色を同価格で販売している。
好調な売れ行きの背景には、スーツ市場を取り巻く環境の変化がある。帝国データバンクによると、2024年度の上場紳士服7社のスーツ事業売上高は3564億円で横ばい。店舗数は2024年度末時点で2300店と、コロナ禍前で最も多かった2017年度末(2977店)から約700店減少した。
一方で、オーダースーツの需要は伸びており、青山商事が展開する「Quality Order SHITATE」は堅調に推移している。2025年3月期のメンズスーツ平均販売単価は、3万4076円と前期から7.3%上昇。中小の紳士服店でもオーダースーツの販売に注力する傾向がみられ、業界全体で「量から質」への転換が進んでいることがうかがえる。
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