麻辣湯ブームは、そもそも誰が仕掛けたのか 日本発か中国発か、その真相:スピン経済の歩き方(5/6 ページ)
タピオカ、高級食パン、唐揚げなどに続く「食のブーム」として、昨今話題になっている「麻辣湯」。若い女性を中心に人気を広げているようだが、このブームはどこから起きたのか。
中国外食チェーンから見た日本市場の可能性
2021年以降の中国外食マーケットが血で血を洗うレッドオーシャンになってしまったのは、コロナ禍の反動だけではなく、日本の外食企業が大挙して押し寄せてきたせいでもあるのだ。
「それは中国の消費者が日本の外食を食べたいと思うからであって、日本の外食企業が悪いみたいに言うなよ」とお叱りが飛んできそうだが、そう思うのはわれわれが日本人だからだ。そこで視点を変え、中国外食チェーンの立場に立って考えてみたい。
ただでさえ、国内の新規参入者が増えて競争が激化しているところに「外国資本」がじゃんじゃん入ってきて、スシローのように行列ができる店もあるのはかなりイラッとするだろう。しかし、冷静に考えてみれば「まだ食べたことのない人がたくさんいる国に出店する」のはグローバル外食チェーンとしては当然の戦略だ。だったら、自分たちも日本企業みたいに海外展開に力を入れるか、という結論になるのは自然の流れではないか。
ここまで言えば、もうお分かりだろう。そのようなフロンティア精神を抱いた中国外食チェーンが世界地図を見たときに「あ、ここはまだあまり進出していないじゃないか」という国が割とすぐ近くにある。そう、われらが日本だ。
2021年から「楊國福」が日本で急に出店攻勢を強めたのは、2021年からスシローが中国で急に出店攻勢を強めたことと基本的には同じことなのだ。細かな事情は違えど、互いにコロナ禍の反動で自国の競争が激化していく中で、新たな成長を求めて「隣国のマーケット」で勝負をかけたのだ。
中国企業が日本に進出してくると、「外国資本による経済的侵略だ」「日本人の財布を狙っている」と不快に思う日本人も多い。ナショナリズム的には自然な反応だが、一方でちょっと視野を広くすれば、われわれも中国のマーケットに進出して、外国資本として中国人の消費でもうけている現実がある。こういう相互依存関係が嫌だというのならば、江戸時代のように「鎖国」をしなくてはいけない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜパチンコ店の飲食は成り立つのか “3分で出す”とコスト70%のしくみ
ダイナムのパチンコ店に併設された「めん六や」をご存じだろうか。全国に304店舗を展開しているわけだが、どのようなビジネスモデルで運営しているのか。担当者に話を聞いた。
富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実
庶民の味方である立ち食いそばに、外国人観光客が押し寄せる現象が起きている。外国人観光客お断りを示す店舗もあるが、「そば」が本当の意味でも世界に愛される日本食になるためにできることとは。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「いきなり!ステーキ」はどこへ向かうのか 焼き台をなくした新店舗に、創業者ポスターがなかった理由
焼き台をなくした「いきなり!ステーキ」の新店舗を訪ねると、席は広く、肉はオーブン焼き、そして創業者のポスターがない。変わったこと、変えなかったこと、その境目で社長が何を考えているのか。
