NEC、麻布台ヒルズで顔認証決済スタート “世界一の技術”で顧客体験をどうデザインするのか
NECは、麻布台ヒルズカフェで顔認証決済サービスを開始した。“世界一の精度”とされる同社の顔認証技術をどのように生かすのか。
NECは4月1日、東京・麻布台ヒルズの「麻布台ヒルズカフェ」で「顔認証決済サービス」の提供を始めた。顔認証によるストレスフリーの買い物体験を提供するとともに、顔認証プラットフォームの認知を拡大させる狙いだ。
顔情報とクレジットカード情報を登録しておけば、財布やスマートフォンを出さずに決済が可能になる。合わせて「顔認証回数券サービス」も開始した。顧客が持っている回数券や特典の情報を顔認証で確認する。コーヒーの回数券を持っていれば、手ぶらで来店してコーヒーを受け取れるようにした。
“世界一の顔認証技術”で顧客体験をどうデザインするのか
NECの顔認証技術は高い精度を誇り、米国国立標準技術研究所(NIST)の性能評価で1位を複数回獲得した実績を持つ。
今回の顔認証決済と顔認証回数券は、マスクや帽子を着用していても顔認証が可能だという。
麻布台ヒルズカフェで始まったサービスは、同社の顔認証プラットフォーム「NEC顔リンクサービス」にひも付けられる。他のイベントや商業施設などで登録した顔情報を利用できるようにした。より良い買い物体験や、顧客情報にひも付くパーソナライズされた接客を提供できれば、LTV(顧客生涯価値)の向上に資するとみられる。
NECは、顔や虹彩、指紋などを使った生体認証技術を「Bio-IDiom」(バイオイディオム)というブランドとして展開している。顔認証サービスは2025年の「大阪・関西万博」の入場管理や店舗決済でも使われた。直近では3月に開催された音楽イベント「Vポイント presents ツタロックフェス2026」で採用されている。
顔認証技術を巡ってはNECの他に、日立製作所と東武鉄道が鉄道やホテルなどに提供する生体認証サービス「SAKULaLa」(サクララ)や、パナソニックコネクトの顔認証サービス「KPASクラウド」などがある。各社の取り組みによって今後、さらなる社会実装が進みそうだ。
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