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東京チカラめしの会社、今は「水産」で稼ぐ 売上の半分を占めるまでに成長、なぜ?(4/4 ページ)

大量出店と大量閉店で有名となった「東京チカラめし」、コロナ禍で水産業に参入し、現在は売り上げの半分を占めるまで規模を拡大させました。どのような変遷があったのでしょうか?

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水産業に乗り出し、事業構造を抜本的に変更

 コロナ禍によって、主力の飲食店運営だけでは生き残れないとの危機感を強めた三光マーケティングフーズは「コロナ禍でも収益を確保できる、独自の事業ポートフォリオ」の構築を掲げ、水産の6次産業化に舵を切りました。

 6次産業化とは、仕入れから加工、販売までを一貫して手掛けるビジネスモデルです。この取り組みにより、同社の事業構造は抜本的に変わっていきます。

 2020年9月、静岡県沼津市にある「沼津我入道(がにゅうどう)漁業協同組合」との業務提携を開始。組合員として魚市場でのセリに参加するとともに、現地に支店を開設しました。加工場での一次加工や既存店および他社販路への鮮魚などの食材供給、ふるさと納税への返礼品提供など、収益基盤の強化とともに付加価値獲得の多様化に取り組みました。

 2021年11月には漁船を承継取得し、2022年からは自社として漁業に参入しています。

 加えて、M&Aも積極的に進めました。2021年11月には、水産仲卸・加工業の「海商」を新設分割により子会社化(SANKO海商へ社名変更)。2022年には豊洲市場の大卸「綜合食品」を傘下に収め、売り上げの拡大につなげました。

 2021年10月には、これまでの「三光マーケティングフーズ」から「SANKO MARKETING FOODS」に社名を変更しました。

 こうした業務提携とM&Aにより、産地から直接仕入れる独自のプラットフォームを構築しました。自社船を含む「SANKO船団」が漁獲した魚を、多段階の流通を経ずに直営店へ供給する「DAY-ゼロ便」を確立。魚価高騰の影響を抑え、原価コントロールを可能にしています。

 この仕組みは店舗展開にも波及しました。鮮魚店併設型の「アカマル屋鮮魚店」や、自社加工を生かした「まめたい商店」「まめたい寿司」などの新業態を開発。千葉県市川市のMEGAドン・キホーテ本八幡店に出店した「サカナタベタイ」では、マグロの解体ショーなどの演出も人気を集めています。


千葉県市川市のMEGAドン・キホーテ本八幡店に出店(画像:SANKO MARKETING FOODSプレスリリースより)

 水産事業や飲食事業だけではありません。

 同社は、コロナ禍の長期化を見据え、大型居酒屋の閉店も進めました。その一方で、官公庁や温浴施設の食堂の受託運営へと軸足を移しています。2024年5月に九段第二合同庁舎に出店した「東京チカラめし食堂」は、その象徴的な取り組みといえるでしょう。

 こうした構造転換の結果、業績は回復基調にあります。2026年6月期(予想)は、売上高111億6000万円、営業利益1700万円の黒字を見込んでいます。


2022年6月期〜2026年6月期(予想)の業績(画像:決算資料を基に筆者作成)

まとめ

 SANKO MARKETING FOODSの歩みは、外食企業としての成長と、その限界への直面、そして新たな方向への模索の連続でした。「金の蔵」や「東京チカラめし」に象徴されるように、時代に応じた業態で成長を遂げる一方、外食モデルの脆(もろさ)さにも直面しました。

 現在は、水産事業をメインとすることで、事業構造そのものの転換を進めています。SANKO MARKETING FOODSは「変化の途中にある企業」です。この転換が新たな成長につながるのか、それとも一時的な延命にとどまるのか。答えは、これからの数年で明らかになるでしょう。

著者紹介:宮本建一

大阪府立大学経済学部卒。第二地方銀行にて預金・融資業務、消費者金融では債権回収、信用組合においては融資・経理・審査管理に従事。

現在はフリーライターとして、資金調達・資金繰り、銀行融資、ファクタリング等の金融ジャンルを中心に執筆する。

審査・回収・債権管理といった現場経験を踏まえ、制度や数字の解説にとどまらず、実務上の論点や注意点まで整理して提示することを得意とする。

中小企業の資金繰り改善や金融機関対応に関する記事実績多数。金融機関向け通信講座教材の企画・執筆経験あり。

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