コンビニで“1000円超のパスタ”は売れるのか? ローソンの4カ月の実証実験で見えてきたこと(1/4 ページ)
ローソンが1000円超のパスタを販売する実証実験を実施している。コンビニパスタの価格は高くても700円程度だが、高価格のパスタは売れるのか?
コンビニで買えるパスタの価格は、高くても700円程度――。そんな常識を覆す取り組みがローソンで始まっている。
2025年7月、同社は「ローソン北大塚一丁目店」(東京都豊島区)に自動調理ロボットを試験的に導入し、出来たてをウリにした「たまごチャーハン」「野菜炒め」(いずれも538円)の提供を開始した。さらに同年12月には、同じ調理ロボで作るパスタメニュー3種を新たに追加。1000円超の商品もあり、コンビニ商品としては高価格帯だ。
同社は「外食並みの品質」を掲げており、競合として意識しているのは同業他社ではなく近隣の飲食店だという。コンビニの食事はどこまで進化するのか。ローソンの自動調理ロボについて、同社の鈴木嘉之氏(インキュベーションカンパニー事業開発部 参事)に話を聞いた。
ローソンが目指す「出来たて」の新モデル
ローソン北大塚一丁目店では現在、自動調理ロボのメニューとして、6種類のチャーハンと、7種類のパスタを展開している(「野菜炒め」は休止中)。注文から調理、受け取りまではどのような流れなのか。
まず、店内入口付近の端末を操作して注文する。決済が完了すると、店内のモニターに受付番号が表示される。厨房では注文に応じて、スタッフが自動調理ロボを操作する。
自動調理ロボには独立駆動する鍋とヘラが取り付けられていて、その横にはタッチパネル式の操作画面が設置されている。タッチパネル上でメニューを選択すると、投入する食材とタイミングが一覧で表示される。スタッフはその指示に従い、チャーハンであれば、ごはんや卵、ネギ、調味料など、あらかじめ用意した材料を順番に投入していく。
指定された食材を入れると鍋が回転を始める。鍋に取り付けられたヘラが不規則に回転し、勢いよく具材をかき混ぜる。チャーハンの調理時間はおよそ1分半程度。短時間で一気に仕上げるのが特徴だ。
完成したチャーハンを実際に試食した。香ばしい香りに加え、米粒はべたつかずパラッとした仕上がりで、卵はところどころ焼き目もついている。家庭用の火力や、電子レンジで調理したチャーハンとは明らかに異なっており、街の中華料理店の一皿に近い印象を受けた。
パスタもチャーハン同様、厨房内での仕込みはほぼ必要なく、あらかじめ加工・下処理された食材や計量済みのソースなどを使用する。鍋の回転とヘラの不規則な動きによって、具材を持ち上げながらパスタソースが全体になじむようにしている。調理時間はチャーハンと同じく、1分半程度。オリーブオイルやチーズを仕上げに加えることで、香りが飛ばないような工夫も施している。
パスタも従来のコンビニ商品と比べて麺の弾力がしっかりと感じられた。アマトリチャーナは厚切りベーコンのジューシーさやチーズのコクがアクセントになっている。カルボナーラはクリームのコクとベーコンの塩気のバランスがよく、仕上げに振られたこしょうの香りも際立っていた。
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