1万円の“お菓子”が即完売 カンロ「ヒトツブカンロ」がギフト市場を変えた背景(5/5 ページ)
カンロの「ヒトツブカンロ」は、飴やグミをギフト化し高単価市場を開拓した。1万円の限定ボックスが即完売するなど、常識を覆す展開で過去最高売上を更新。その成功の背景と戦略に迫る。
常設店は増やしすぎない
2026年1月にグランスタ東京店が閉店し、現在の常設店は原宿の「ハラカド」内の1店舗のみだが、5月20日に新宿伊勢丹店をオープンする。ギフト需要が強い百貨店という立地を選び、伊勢丹新宿店限定セット(3601円)も用意する。
ただし、常設店を大量に展開する考えはないという。「常設店はお客さまと向き合って、深くファンになっていただくための場所。大規模に増やすことは考えていない」と金澤氏は語る。
多くの人にブランドを知ってもらう役割はポップアップストアが担い、そこからECへとつなげる。常設店はファンの育成と顧客の声の収集に徹するという役割分担だ。
一方で、筆者が原宿店を訪れた際、気になったのはインバウンド客の取り込みだ。原宿店は訪日外国人が多く訪れるエリアにあるが、購入するにはLINEのデジタル整理券が必要なため、海外からの来店客にとってはハードルが高い。
ハラカドの別フロアに不定期で整理券不要の販売機会も設けているが、ギフト向けの商品特性と立地のポテンシャルを踏まえると、インバウンド向けの認知拡大を含めた対応が今後の課題となりそうだ。
ヒトツブカンロは、2030年に売上高25億円の目標を掲げている。飴の価値を高めるという課題から始まった事業は、顧客の声をもとにギフトへと軸足を移し、直営店、EC、ポップアップそれぞれの役割を明確にすることで、13年をかけて過去最高売上を更新する事業に育った。
若年層の飴離れや、インバウンド対応といった課題は残るが、ヒトツブカンロは手頃なおやつがギフトになることを証明している。
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