星野リゾートは“おひとりさま部屋”が稼働率90% 「ひとり旅」がここまで売れるワケ(2/5 ページ)
各社の「ひとり旅」プランが活況だ。星野リゾートでは、温泉旅館ブランド「界」の「おひとりさま専用客室」が稼働率90%に。阪急交通社では、海外のひとり旅ツアーの参加者数が前年比127%に増えた。なぜ人気が続いているのか取材したところ……。
ひとり旅のハードルを、どう下げた?
ラグジュアリーホテル「星のや」をはじめ、リゾートホテル「リゾナーレ」や都市観光ホテル「OMO(オモ)」など複数ブランドを運営する星野リゾート。全ブランドで1人利用を受け入れているが、中でも高級温泉旅館「界」では、「ひとり旅」の施策に力を入れている。
箱根や別府、出雲など全国で23施設を展開する(2026年夏開業の施設を含む)界は、温泉をはじめ、その土地の文化や地域の魅力が体験できる上質な温泉旅館と位置付けている。30〜40代の女性を中心に幅広い層が利用し、稼働率は87.1%(2024年11月〜2025年10月)と、同社の他ブランドよりも高い。
「界では、以前からおひとりさまの利用を歓迎していましたが、コロナ禍の2020年に、より利用しやすい『ひとり旅プラン』を導入しました。2名1室利用時と同等の1泊2万6000円〜(当時の価格)に設定し、『ひとり蟹会席』を提供する内容です。レストランは多くが半個室になっていて、周囲の目を気にせずに食事を楽しんでいただけます」(星野リゾート 須永氏)
1名利用者が増える中で、2024年に開業した「界 奥飛騨」(岐阜県)では、界で初となる「おひとりさま専用客室」が誕生。同施設で最もコンパクトな28平方メートルながら、ダブルベッドや他の客室よりも大きなテレビ、ひとり時間を充実させるためのスピーカーなどを導入している。居心地の良さと土地の個性を追求した界ならではの「ご当地部屋」の要素も取り入れ、2名1室利用時と同等の料金で提供している。
「おひとりさま専用客室は、稼働率が他の部屋よりも高い約90%です。利用者の約8割が女性で、“自分へのご褒美”として利用するケースが目立ちます。2名以上のお客さまよりも館内のアクティビティへの参加率が高い傾向がありますね」(星野リゾート 須永氏)
界では、宿泊者が無料で利用できるアクティビティ「ご当地楽(ごとうちがく)」を提供しており、地域の伝統文化やグルメを気軽に体験できるようにした。ひとり旅の宿泊者は、スタッフと積極的にコミュニケーションを取って知的好奇心を満たすなど、その土地を知ることを楽しんでいる印象が強いそうだ。
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