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「粘り強いね」と褒めたら部下の心が折れた…… Z世代離職を防ぐ“翻訳”マネジメント(1/3 ページ)

世代間における認識のズレ、言葉のズレ……この積み重ねは離職率の重大な増加につながる。今必要な「翻訳マネジメント」とは。

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著者プロフィール:村上 ゆかり

コラムニスト。1児の母。リクルートにて人材業界で法人営業、面接、面談フォロー実績数百件を経験。人事役員などと伴走しさまざまな人事課題に向き合う。広告業界にて5000人集客イベント企画&事務局経験、福祉業界では人事管理職として新卒及び中途採用を1人で設計から実務まで担当し年間約120人採用を達成。国会議員秘書約4年半を経験後、フリーで活動を始め、執筆のほか企業の人事採用コンサルタントなどを手掛ける。アンガーマネジメント講師。

 IT企業に勤める20代のAさんは、半年かけて独自のアルゴリズムを開発し、分析効率を30%向上させた。十分すぎる成果である。ある日の1on1で、上司はAさんの働きを高く評価し、このように伝えた。

 「いつも遅くまで残って頑張ってくれていたね。その『粘り強さ』を評価しているよ」

 「粘り強さ」という評価を聞いた瞬間、彼の中で何かが折れた。彼が評価してほしかったのは「深夜まで残ったこと」ではない。「独自のアルゴリズムを組んだこと」だった。

 「この上司は、自分の仕事の価値が分かっていない」――そう確信した彼は、直後に転職活動を始めた。


部下は「そういうことじゃないんだよな」と思ったに違いない(ゲッティイメージズ)

離職率を下げるには、部下の強みや貢献を適切に認識すること

 調査会社米Gallupによる世界各国の従業員を対象とした研究によると、上司が部下の強みを生かしている職場では、離職率が大幅に低下するとされている。

 特に離職率の高い職場では21%減、離職率の低い職場では51%減という結果が出ている。部下の強みや貢献をきちんと認識することは、離職防止や組織の成果に直結する重要なポイントだ。

 例えば、面談時に上司が「最近どうだ?」と部下を気にかけたとする。こうした声かけ自体は良い習慣だ。しかし、部下が話し始めた途端「あ、それなら俺の頃はこうだった」と話をさえぎる。気付けば面談で上司が8割以上話し続けてしまい、最後は「いい対話ができた、期待しているよ」と締めくくられる。

 部下には「自分の課題を話す機会を奪われた」という感覚だけが残り、上司は部下が何を考えているのか分からないまま終わってしまう――。こんなシーンは、あなたの職場にもないだろうか?

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