「大井町トラックス」で鉄道の街はどう変わる? 大井町のこれからが見えてきた(3/4 ページ)
3月末に大井町トラックスが開業した。開発を行ったのはJR東日本。これまでは山手線圏内で大規模な複合商業施設を開発していたが、なぜ今回は大手町を選んだのか。そして、今後どのように発展していくのか。
「トラックス」に込められた意味
その中で、今回オープンしたのが大井町トラックスだ。施設名の「トラックス」には、「車両工場・線路」「通り」「楽曲」という3つの意味が込められている。
この地には、大正時代から続く車両工場と線路の歴史がある。街にはメインストリートとなる歩行者デッキが設けられ、大井町を訪れる人々を魅了する多様な機能や共用空間が整備されている。大井町トラックスは過去の鉄道用地としての記憶と、新たな空間としての役割を重ね合わせた名称といえる。
さらに、「車両基地・工場」という土地の歴史と、「歩行者デッキ・ストリート」の開発からは、この街が未来へ向けて発展していく“道筋”が見て取れる。
実際、開発を行ったJR東日本は、「トラックス」が持つ流れ・つながり・楽曲という意味を重視していると述べている。多様な人々が行き交い、広場や各種サービスを通じて交流し、それぞれの活動が重なり合うことで、一つの旋律のように新たな価値や文化を生み出していく場にしたい考えだ。つまり、大井町トラックスは単なる駅前再開発ではなく、駅から街へと人の流れを広げ、地域全体が一つの交響曲のように機能する場所を目指しているのである。
筆者は正式オープン前の報道公開日に、大井町トラックスを訪れた。巨大な建物の中に人を囲い込むのではなく、路面店舗を配置することで自然な回遊を促し、オフィス、ホテル、レジデンスとの往来も生まれる。そんな流れるような設計が印象的だった。「働く」「楽しむ」「休む」が一体となり、そこに人の流れが加わることで、優れた立地に交流型の街が生まれつつあることを肌で感じた。
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