高給な管理職こそあぶない? AI時代、真っ先になくなる3つの「間接部門」:「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/3 ページ)
AI時代に真っ先に削減の対象となる間接部門とはどこか、そして、それでも生き残るために何が必要か。
フェーズ管理・マイルストーン管理が間接部門の生き残る道になる
フェーズ管理とは、目標達成のプロセスを複数の段階(フェーズ)に分け、各フェーズで何を達成すべきかを設計・管理することだ。マイルストーン管理とは、各フェーズの途中にある重要な通過点を設定し、そこに確実に到達しているかを確認することだ。
これは、まさに営業企画部門や事業推進部門がやるべき仕事だ。具体的な事例で説明しよう。なお、営業部自身が目標達成の計画を作るべきではないかという意見もあるかもしれないが、そうすると客観的視点が抜けることが多いため、営業企画部などが計画を立て、管理した方が理にかなっているといえる。
例えば「来月の展示会で来場者500人のリード情報を獲得し、その後3カ月で50件の商談につなげる」という目標があるとする。この場合、フェーズは次のように設計できる。
目標達成までの各フェーズ
1. 集客フェーズ(展示会の1カ月前まで)
目標:招待状の送付、SNSでの告知、DM配信で見込み客500人を集める。マイルストーン:2週間前時点で予約300人超。
2. 当日対応フェーズ(展示会当日)
目標:来場者全員に個別対応し、アンケートと名刺情報を取得する。マイルストーン:アンケート回収率80%以上。
3. フォローフェーズ(展示会後1カ月以内)
目標:来場者を温度感別にABC分類し、A層には即アポイント、B層には資料送付とフォロー連絡。マイルストーン:1週間以内にA層全員へ初回コンタクト完了。
4. 商談化フェーズ(展示会後3カ月以内)
目標:50件の商談アポイント獲得。マイルストーン:毎月15件ペースで進行しているか確認。
このようなフェーズとマイルストーンを設計し、各フェーズの進ちょくを管理し、遅れが生じたら原因を特定してリカバリー策を講じる。「何が起きているか」を把握するのはAIでもできるが「なぜそうなっているか」を判断し「次に何をすべきか」を意思決定するのは人間でなければならない。
このフェーズ管理の考え方は、展示会に限らない。新製品のリリース、新規開拓キャンペーン、社内の業務改善プロジェクト。これら全てに応用できる。どのフェーズにいるのか、マイルストーンを通過できているか、遅れているなら何が原因かを常に把握し、次の打ち手を考える。これが「プロセスを設計・管理する仕事」の本質だ。
AIが個別のタスクを処理してくれるからこそ、人間はこの「全体を見る仕事」に集中できる。逆に言えば、この「全体を見る力」がなければ、AIが処理したデータの山を前に、何もできない人になってしまう。
間接部門に身を置く人こそ、「目標達成プロセスの全体像」を理解すべきだ。
「私の仕事は経理です」「人事です」という職種への帰属意識は、もはや生存を保証しない。AIが代替できない「プロセスの設計力」と「フェーズ管理の能力」を武器にすること。それが、AI時代における間接部門の生き残る道だと私は考えている。
「目標は立てている。でも、なぜか達成できない――」
その原因は、努力不足でも意志の弱さでもありません。
多くの場合、問題は「正しい目標の立て方ができていない」ことにあります。
本書は、目標設定から計画立案、行動設計、進ちょく管理までを一気通貫で整理した、「実践型・目標達成の教科書」です。
営業コンサルタントとして数多くの現場を支援してきた横山信弘氏が、成果を出す人と出せない人の決定的な違いを体系化。目標達成を“精神論”から解放し、やる気に頼らず仕組みと運用で、目標設定から行動管理までを一気通貫で学べる目標達成本の決定版です。
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