本当に部下のせい? いつも「計画倒れ」になるマネジャーの特徴ランキング:「キレイごとナシ」のマネジメント論(1/3 ページ)
同じ失敗を繰り返すのは、本人のやる気や努力の問題ではない可能性が高い。目標達成の手順を知らないからなのだ。
「キレイごとナシ」のマネジメント論
常に目標を達成させる「常勝集団」をつくるために、キラキラしたビジネスtipsは必要ない。組織マネジメントを専門とする横山信弘氏が、本質的なマネジメント論を「キレイごとナシ」で解説する。
著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
ある医療機器メーカーの営業部長から、こんな嘆きを聞いた。部下育成の年間計画を丁寧に立て、研修の回数や業界紙の購読まで決めた。なのにいつまで経っても、部下の成長を実感できないというのだ。しかも、これは6年連続で起こっている。
計画は立てた。本人もやる気はあった。にもかかわらず、いつも計画倒れに終わるのだ。
「最近の若い子は難しいな……」
そんな愚痴をこぼす部長だが、本当に部下のせいなのか? 同じ失敗を繰り返すのは、本人のやる気や努力の問題ではない可能性が高い。目標達成の手順を知らないからなのだ。
今回は、目標達成できないマネジャーに共通する特徴を、筆者のこれまでの経験をもとに独自に作成し、ランキング形式で紹介する。自分のマネジメントを見直したいと考えている方は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
1位 「計画そのもの」を正しく作れない
最も多く、最も致命的な問題が「計画の作り方」そのものだ。正しく計画を作れないマネジャーが、圧倒的に多いのである。
例えば部下育成の年間計画を考えてみよう。
- 業界紙を月1冊読む
- 研修を年間20時間受ける
- 月2回は改善提案をする
こうした行動目標を並べることは、決して悪いことではない。しかし問題は「それをやることで、部下がどのように成長していくのか」が表現されていない点だ。
家を建てることに例えると分かりやすい。まず地盤調査・基礎工事で土台を作る。次に骨格となる躯体工事、その後に屋根工事・外壁工事で外側を固め、電気・給排水などの設備工事、内装工事と続く。最後に外構工事・引き渡しという流れだ。これらが「フェーズ」であり、各フェーズのチェックポイントを「マイルストーン」として管理する。
ところが「月に研修を2時間受ける」「業界紙を読む」「改善提案をする」と羅列した計画は、このフェーズが見えない。個々の行動は正しくても「それでどんなスキルが、どこまで身に付くのか」が分からない。これでは工事の手順がバラバラに並んでいるだけで、家は建てられないのと同じだ。
計画を作る際は常に「この計画全体で、どのようなゴールに到達させようとしているのか」という問いを忘れてはならない。
特に能力開発や部下育成といった計画は「フェーズ管理とマイルストーン管理を組み込んだ全体設計」でなければならない。
- 6カ月後にはこの状態になっているはず
- この指標をクリアしたら、次のフェーズへ進む
といった構造があって初めて、進捗管理にも役立つ。全体を把握できない計画は、単なる「やることリスト」に過ぎないのだ。
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