「オンライン会議」は禁止すべきか? 手軽さが“会議数インフレ”を引き起こすワナ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(1/3 ページ)
日本企業で広がる「会議インフレ」の実態と、本当に見直すべきこととは何か。
ある広告代理店の総務部長(50代)から、こんな話を聞いた。部長が社内向けに「会議はすべて会議室を使うこと。Teams、Zoomによるオンライン会議は原則禁止」という通達を出したそうだ。
メンバーからは驚きと反発の声が上がったそうだ。しかし、部長の考えはこうだ。
「オンライン会議が嫌いなんじゃない。会議が増えすぎて仕事にならないんだ」
実際に「オンライン会議・メッセージ疲れ」は深刻化しているという話もある。今回は、日本企業で広がる「会議インフレ」の実態と、本当に見直すべきことについて解説する。会議の多さに疲弊していると感じている方は、ぜひ最後まで読んでいただきたい。
オンライン会議禁止令の「本当の理由」
この総務部長が問題にしたのは、オンライン会議そのものではない。会議が際限なく増え続けていることだ。
以前、会議を開くにはそれなりのコストがかかった。会議室を押さえる。参加者のスケジュールを調整する。資料を印刷して配布する。移動する――。こうしたハードルがあったからこそ、会議を開こうと考える人は、多少なりとも「本当に集まる必要があるか」を考えた。
しかしオンライン会議が普及した結果、そのハードルが一気に消えた。URLを送れば会議が開ける。突然メッセージが飛んできて、
「オンラインで30分いい?」
となる。ちょっと確認したいからTeamsで打ち合わせをしたい。顔を合わせたほうが早いからZoomの予定を入れるなどという具合だ。
かつては管理職だけが会議を主催していた。それが今では、担当者同士でも、ちょっとした意見交換にオンライン会議が使われるようになった。誰でも会議を招集できるようになった結果、会議はどこまでも増え続けた。
「仕事の邪魔になる」
「定時内に終わらない」
「残業は禁止されているのに、どうしたらいい?」
――そんな声が現場から上がっていた。だから冒頭の部長は「会議室を押さえるという手間を復活させることで、無用な会議を抑制する」という判断を下したのだ。
オンライン会議の便利さを制限することで、会議の数を減らそうとしているのだから皮肉なものだ。言い換えれば「便利にしたことで増えすぎたものを、不便にすることで絞り込む」という発想だ。
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