本部99%が転職者、現場3分の1が外国籍 バーガーキング「売上46カ月続伸」を支えるマネジメント(2/2 ページ)
バーガーキングの強さは、社長自身の挫折を組織の「共感」へと変えたマネジメントにある。99%が転職者の本部、3分の1が外国籍人材の現場。多様な組織が46カ月連続増収を遂げたのは、日本語学習支援を「感謝の連鎖」と捉えるような、目先の流出を恐れない長期投資の視点があったからだ。「違い」を排除せず、むしろその「背景」を尊重することが、人手不足時代の生存戦略になる。
直営重視→「フランチャイズ2割」に 狙いは?
――店舗数は6年で4倍以上に拡大しました。このスピード感を支えるフランチャイズ(FC)戦略について教えてください。
現在、直営が約8割、FCが約2割という構成です。当初はブランドの成功モデルを作るため直営主導でしたが、ここ1年で状況が大きく変わりました。「メガフランチャイジー」と呼ばれる、他ブランドを数十店舗運営している手腕のあるオーナーからの問い合わせが急増している状況です。
彼らのビジネスに対する嗅覚は鋭いです。「長年運営してきた飲食店が、原材料高騰で値上げせざるを得ない。果たしてこの商品力で売れるのか」といったように、現場の感覚で危うさを察知するんですね。
従業員を守るためにも、別の柱を立ててリスク分散を図ろうとする商売人たちが、次の柱としてバーガーキングを選ぶケースが増えています。これは非常に心強いことです。自分たちだけで必死に車を押していた状態から、強力な助っ人に後ろから押してもらっているような、非常に手応えのあるフェーズに入っています。
接待の気遣いを社員にも 見えない配慮が信頼を生む
――多様な背景を持つ従業員を大切にする精神は、オフィスの細部にも現れていますね。
オフィスには、あえて「業務用」の電子レンジを導入しています。家庭用だと3分かかるところを、業務用なら数十秒で済む。社員の休憩時間を数分でも無駄にしたくないんです。手洗い場もトイレまで行かずに済む場所に設置しました。
こうした「見えない配慮」は、キリンビール時代の営業経験が生きているのかもしれません。接待の際にも、事前に「靴を脱ぐ店か否か」を事前に伝える。それだけで、相手は安心しますよね。そうした小さな気遣いが、相手の心地よさや信頼につながる。それは、99%が転職者という「外から来た仲間」に対しても、全く同じことだと思っています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「軍隊のようなルールは不要」 マックと対極の文化で「44カ月連続成長」したバーガーキングの組織論
バーガーキングの急成長の裏にあるのは、徹底した標準化を図る競合とは対照的な、個を尊重する精神だ。チェーンストア理論に逆行する「脱軍隊的」な組織運営が、なぜ外食産業でこれほどの成功を収めるのか。野村一裕社長に、服装の自由や「60%の走法」、家族まで感動させる報奨制度など、独自の躍進術を聞いた。
マック一強の牙城を崩せるか バーガーキングが「3つの強み」で描く勝ち筋とは?
マクドナルドが圧倒的シェアを握っているハンバーガー市場。後発のバーガーキングはいかにして独自のポジションを築いてきたのか。運営会社ビーケージャパンホールディングスの野村一裕社長に聞いた。
バーガーキング「800億円買収」の衝撃 なぜゴールドマン・サックスは「日販3倍」の成長に賭けたのか
米Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)によるバーガーキング日本事業の買収は、外食業界で大きな話題となった。世界有数の金融機関が巨額の資金を投じてでも手に入れたかった企業に今、何が起きているのか。バーガーキング運営会社の社長に、この買収劇の背景と今後の展望を聞いた。
「ブランドを壊すのは担当者のエゴ」 バーガーキング社長が明かす急成長のワケ
バーガーキングの外食業界における存在感は年々増しており、マクドナルドやモスバーガーに続く主要チェーンとしての地位を確立しつつある。なぜここまで成長できたのか。その舞台裏を、運営会社社長に聞いた。
「貧乏人の食べ物だ」 “スープの巨人”キャンベル社が防げなかった「顧客蔑視」の末路
「スープの代名詞」、ザ・キャンベルズ・カンパニーの副社長(当時)であるマーティン・バリー氏が口にした「貧乏人のためのクソみたいな食べ物」。通報者はわずか20日後に会社を解雇された。同社の対応は、有事における企業対応のケーススタディとして極めて示唆に富んでいる。時系列で追う。
ソニー平井元CEOが語る「リーダーの心得5カ条」 若くして昇進した人は要注意
ソニーグループを再生させた平井一夫元社長兼CEOが自ら実践し、体験を通じて会得したビジネスリーダーに必要な要件とは?
“管理しない店長”で最高年収2000万円!? 丸亀製麺「心的資本経営」の正体
丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスには、最高年収2000万円を目指せる特別な「店長」の肩書がある。年収2000万円を目指せる店長制度を用意した狙いは? 南雲克明・CMO兼丸亀製麺常務取締役マーケティング本部長に聞いた。
「KPIは睡眠時間」──オードリー・タンに聞く、日本企業の生産性が上がらない根本原因
生産性の低さが指摘されている日本。人口減少が追い打ちをかける中で、現状を打開するためには、どうしたらいいのか。企業はAIをどのように使いこなしていくべきなのか。オードリー・タンさんに聞いた。
