顔認証、社会インフラ領域で利用経験3割 利用者が重視するのは?(1/2 ページ)
顔認証サービスの利用者は、利便性よりも「安全性」や「認証精度」を重視している。ICTの市場調査を手掛けるMM総研(東京都港区)が、15歳以上の日本在住者2万83人を対象に実施した「顔認証の社会受容性調査」で分かった。
顔認証サービスの利用者は、利便性よりも「安全性」や「認証精度」を重視している。ICTの市場調査を手掛けるMM総研(東京都港区)が、15歳以上の日本在住者2万83人を対象に実施した「顔認証の社会受容性調査」で分かった。
顔認証は社会インフラとして浸透段階へ
スマートフォンや各種サービスで、指紋や顔などの「生体認証」を利用した経験がある人は62%だった。内訳は「日常的に利用している」が38%、「たまに利用する」が14%、「過去に数回利用したことがある」が10%だった。
顔認証の利用経験者は「日常的に利用している」が23%、「たまに利用する」が16%、「過去に数回利用したことがある」が11%で、合計50%に達した。
また、空港や駅、病院など公共施設・交通機関で顔認証を利用した経験がある人は「日常的に利用している」が9%、「たまに利用する」が12%、「過去に数回利用したことがある」が9%で、合計30%だった。社会インフラ領域でも顔認証が浸透しているようだ。
一方、公共の場で顔認証を利用しなかった理由については「機会がなかったから」(機会があれば利用した)が75%を占めた。「プライバシー保護の観点で恐れや不安を感じたから」は10%にとどまり、利用機会や導入環境の整備が今後の普及拡大のカギとなりそうだ。
ただし、実利用者の本音には、見過ごせないリスクも潜んでいる。
公共施設・交通機関で顔認証を利用した経験がある1000人に不安な点を聞いたところ「情報漏えい時の悪用リスク」が78%(非常に感じる35%・やや感じる43%の計)、「同意なき目的外利用」が76%(非常に感じる32%・やや感じる44%の計)など、6項目で不安を感じるとした回答者が7割を超えた。
公共サービスでの顔認証の普及には、セキュリティ対策に加え、利用者への説明や透明性確保も求められそうだ。
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