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「平日昼のガラガラ時間」がむしろ“収益源”に サウナ業界で始まった空き時間ビジネスサブスクの勝算と限界(3/3 ページ)

平日昼の“空き時間”を定額で開放するサウナサブスクが広がり始めている。人気施設の低稼働時間を収益化する一方、想定外のヘビーユーザー問題も浮上。会社員の“昼サウナ習慣”は定着するのか。

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サウナサブスクの課題

 サウナのサブスクを始めたところ、想定外のことが起きた。当初ターゲットとして考えていたのは、学生やフリーランス、シフト勤務の人たちだった。平日の日中に動きやすい人たちである。ところが、利用者の約7割はビジネスパーソンだった。しかも、リモートワーク中心ではなく、出社している人も多いという。

 理由の一つが立地だ。提携施設は、港区エリアが多い。赤坂や新橋など、オフィス街の近くである。そのため、「昼休みにちょっとサウナに行ってくる」という使い方が広がった。ランチはササっと済ませて、その足でサウナに行く。気分を切り替えて、午後の仕事へ戻る。そんな新しい利用スタイルが生まれていたのである。


湯乃泉 草加健康センター

報徳湯

比良温泉

 さらに、運営側を驚かせたのがヘビーユーザーの存在だった。会員の約25%が月10回以上利用していることも分かってきた。中には、毎日の風呂代わりのように使う人もいた。

 利用者にとって、月額6490円の価格は魅力的だ。毎日使えば、1回当たり210円ほどである。しかし施設側からすると、話は変わってくる。

 「想定以上に使われて、困っている」。そうした声が出始めたのだ。もともと空いている時間帯とはいえ、同じ人が毎日のように来店すれば、既存客とのバランスにも影響する。

 そこで6月以降の新規会員には、同一施設の利用回数に制限を設けた。サウナ施設は月4回、スーパー銭湯は月8回、銭湯は月12回まで。制限を設けることで、利用を複数施設へ分散させる狙いがある。

 サブスクといえば「たくさん使うほど得」というイメージが強い。しかし現実には、利用が一部に偏りすぎると、施設側とのバランス調整が必要になる。

 サウナサブスクの課題は、施設側の稼働率向上と混雑抑制をどう両立させるかである。こうした問題も含め、現在はサービス設計を模索している段階といえそうだ。

 以前、サウナは「休日の楽しみ」だった。しかし今は、「昼休みのリセット」に変わり始めている。そのうち会社員同士の会話も、「今日、どこで整った?」から始まるのかもしれない。

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