パイロットの「蛍光ペン」、なぜ1000万本売れた? ゼブラ・三菱鉛筆が強い市場で“機能性”勝負(3/5 ページ)
パイロットコーポレーションの蛍光ペン「KIRE-NA」が累計販売1000万本を突破した。三菱鉛筆やゼブラが強い“2強市場”の中で、後発ながら支持を広げたワケとは?
学生に不満をヒアリング
開発にあたり、パイロットは学生へのアンケート調査を実施した。そこで見えてきたのが「線を真っすぐ引きにくい」「ペン先が汚れる」「インクが乾きにくい」といった課題だった。
また、学生の中では近年「きれいなノートを書くこと」が学習モチベーションの一つになっているという。ノートをきれいにまとめてSNSで共有する「勉強垢」も広がっている。学校によっては、ノートの見やすさや整理の仕方を指導するケースもあるそうだ。
こうした需要を受け、パイロットは「ノートをきれいに書きたい」というニーズに応える商品を目指した。
ペン先のプラスチック製ガイド「キチントガイド」は、真っすぐ線を引きやすくする以外にも、筆圧を分散する効果がある。シャープペンやボールペンで書いた文字の上から引いてもにじみにくく、ペン先が汚れにくいようにした。
ペン先には、しなりやすい特殊なナイロン素材を採用した。ペン先全体がしなって紙面に均一に接するため、書き始めから終わりまで安定した線幅を維持できる。開いた教科書やノートの内側など、曲面になりやすい場所でも線を引きやすいという。加えて、線を引き終えた際に発生しやすい「インクだまり」を吸収する仕組みも備えた。線の終わりだけ濃くなる現象や、インクが紙の裏側までにじむのを抑えられるとしている。
持ち手部分には、親指や人さし指が自然にフィットするくぼみを設けた。これも線の引きやすさを考慮した設計だ。
インクが乾く前にこすってしまい、書いたラインがにじんだり、手が汚れたりするのを防ぐため、速乾顔料インキも採用した。一般的な蛍光ペンと比べて2〜3倍速く乾燥し、コピー用紙なら約1秒で乾くという(同社調べ)。速乾技術には、パイロットの速乾インキを搭載した筆ペン「瞬筆」の技術を活用した。
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