コラム
1億円フェラーリEVが酷評 時価総額「8500億円消失」でもぶらさない「経営の軸」(2/2 ページ)
伊Ferrari N.V.が、同社初の完全電気自動車「ルーチェ」を発表した直後の、市場からの反応は冷ややかなものだった。今回の記事では、ルーチェの事例に加え、かつて米Teslaが「サイバートラック」で巻き起こした逆転劇の記録をひもときながら、経営層が学ぶべき「市場の批判との向き合い方」を考えていく。
「なぜ」がはっきりしている会社かどうか
経営者に求められるのは、目の前の反応を「無視する」ことでも「鵜呑(うの)みにする」ことでもありません。その反応の温度を測りながら「これは一時の戸惑いなのか、それとも本質的な拒絶なのか」を見極めることです。その見極めで一番の助けになるのが、実は「なぜ、それを売るのか」という自社の言葉(スタンス)だと考えます。
多くの企業は「何を売るか」について説明し、スペック、価格、機能などの要素を前に出しがちです。「なぜ私たちはこれを世に出すのか」を、自分の言葉で語れている会社は、多くないと感じます。
ヴィニャCEOが繰り返していたのも、まさにこの「なぜ」でした。スペックの自慢ではなく「現状に挑む」「白紙から未来を描き直す」という、挑戦の理由のほうを語っていました。その言葉が市場に届くかどうかは、これからの結果が決めるでしょう。
「なぜ」がはっきりしている会社は、批判が来てもぶれません。逆に「なぜ」があいまいな会社は、最初の風で、あっけなく倒れてしまう。新しい挑戦がうまくいくかどうかは、案外、この一点にかかっている気がします。
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