「管理職」が“憧れ”ではなくなった 30〜40代に広がる出世回避の背景:広がる「静かな退職」(1/5 ページ)
「管理職になりたい」と考える正社員が減少し、30〜40代男性にその傾向が見られるという。なぜ今、多くの働き手が管理職を目指さなくなったのか。パーソル総合研究所の研究員・中俣良太氏に聞いた。
「管理職になりたい!」と考える正社員が減っている。パーソル総合研究所が実施した「働く1万人の就業・成長定点調査」(2026年度版)によると、管理職になりたい正社員の割合は16.6%で、過去最低を記録した。特に、企業の中核を担う30〜40代男性で、管理職への意欲低下が続いているという。
かつては「出世=成功」とされ、管理職になることがキャリアの王道と考えられていた。しかし、なぜ今、多くの働き手が管理職を目指さなくなったのか。パーソル総合研究所の研究員、中俣良太氏にその背景を聞いた。
「管理職になりたい」が減る背景にある3つの変化
中俣氏は、管理職意向の低下について「一つの要因ではなく、複数の変化が重なった結果だ」と分析する。
特に大きいのが、「成長意欲の低下」「キャリアの多様化」「共働き世帯の増加」といった変化だ。
近年、「静かな退職」という言葉が注目を集めている。会社を辞めるわけではないが、必要以上の仕事や責任を引き受けず、求められた範囲の業務をこなす働き方だ。
実際、同研究所の調査でも「働くことを通じて成長したい」と考える人の割合は低下傾向にあるという。同調査によると「静かな退職」をしている正社員の割合は、2026年に5.8%となり、過去最高を記録した。
「以前は、昇進や昇格を通じて収入や地位を高めたいという価値観が一般的でした。しかし現在は、そこまで強く出世を望まない人が増えています。管理職になりたい人が減っている背景には、こうした“成長観”の変化もあります」(中俣氏)
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