「管理職」が“憧れ”ではなくなった 30〜40代に広がる出世回避の背景:広がる「静かな退職」(5/5 ページ)
「管理職になりたい」と考える正社員が減少し、30〜40代男性にその傾向が見られるという。なぜ今、多くの働き手が管理職を目指さなくなったのか。パーソル総合研究所の研究員・中俣良太氏に聞いた。
働き手の価値観が多様化
こうした取り組みの背景には、「管理職の実態が見えにくい」という課題もある。管理職がどのような業務を担い、どのような権限を持ち、どの程度の報酬を得られるのかを明確にすることで、管理職に対する漠然とした不安を和らげる狙いがある。
さらに、年齢ではなく、意欲や能力に応じて登用する仕組みを導入する企業も増えている。中俣氏は、今後は管理職候補の選抜がより早まるとみている。
「30代前半から半ばにかけて、マネジメント志向の人と専門職志向の人が、より明確に分かれていくのではないでしょうか」(中俣氏)
管理職志向の低下は、企業にとって課題である一方、働き手の価値観が多様化した結果とも考えられる。出世だけが成功ではなくなり、副業や専門職などさまざまなキャリアの選択肢が広がったためだ。
企業にとっては、管理職の業務内容ややりがいを見える化し、責任と報酬のバランスを見直すなど、管理職離れへの対応が人材戦略上の一つのテーマとなりそうだ。
管理職離れは、単なる“出世嫌い”ではなく、働き方や成功観そのものの変化を映し出しているのかもしれない。
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