焼肉店は倒産ラッシュなのに……「焼肉きんぐ」運営が最高益を更新するワケ(3/3 ページ)
業界全体が沈む中での「一人勝ち」は、なぜ起きているのか。決算情報とビジネスモデルを見ていこう。
すし・ラーメンも! 焼肉一本足ではない
2025年6月期の連結売上高は1239億円(前期比15.7%増)と過去最高で、6期連続の増収増益となった。2026年6月期もその勢いは加速しているが、決算を見ると実像がもう少し詳しく見えてくる。
第3四半期累計で焼肉カテゴリーの直営売上高は512億円(前年同期比10.9%増)、国内店舗数は364店に達した。ただし月次売上高も直近で増加してきており、都市型価格の導入に伴う値上げと新規出店が早くも効果を上げていることがうかがえる。
また、全社ベースで3割の増益を達成できたのは、事業ポートフォリオの厚みゆえだ。
焼肉きんぐを運営する物語コーポレーションは「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」や「丸源ラーメン」も展開しており、これらの業態も好調に推移している。焼肉、すし、ラーメンの3業態が、同社の収益の柱となっている。
これは、牛肉高騰・人件費上昇という逆風を仕組み化で乗り切り、その仕組みで得られた学びを焼肉以外の業態にも展開しているからだ。これにより、焼肉きんぐで培った仕組み化の恩恵を、横展開することで効果を拡大している。
直近では肉と讃岐うどんを組み合わせた新業態「源次郎」を立ち上げるなど、新業態開発にも余念がない。
物語コーポレーションは2025年8月公表の「物語ビジョン2030」で、2030年6月期に連結売上高2200億円・経常利益率10%を掲げた。
原価率の高い食べ放題は、牛肉がもう一段高騰すれば最も逆風を受ける業態でもある。それでも、需要は出店を続けられる企業へと集まりやすい。焼肉きんぐの「仕組み」がどこまで通用するか、今後も注目したい。
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