「またAIか」と思ったら違った トヨタやクボタが“ゲームエンジン”に注目する理由:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
モノづくり産業をはじめ、多くの分野で注目されているゲームエンジン。米国発のゲームエンジン「Unity」を活用したソリューション開発を手掛けるイノワークスの代表取締役CEO・石林氏に、その可能性を聞いた。
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スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
今、モノづくりから農業、そして医療まで注目されているテクノロジーがある。
「またAIの話か」とうんざりしている人も多いかもしれないが、実はちょっと違っていて、「ゲームエンジン」である。
ご存じのない方のために説明すると、ゲームエンジンとは、ゲーム開発に必要な映像、物理演算、アニメーション、音声などの処理を共通化したソフトウェアだ。これを用いることで、高品質なゲームをゼロから開発する場合に比べ、効率的に開発できる。
代表的なものは「Unity(ユニティ)」や「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」で、ともに米国の企業が開発したゲームエンジンである。
そんなゲームエンジンが、なぜさまざまな業界で注目を集めているのかというと、これを活用することで業務改善や生産性向上につながる可能性があるからだ。
分かりやすいのは、トヨタ自動車だ。2026年2月、同社の関連企業「Toyota Connected North America」が、独自に開発したゲームエンジン「Fluorite(フルオライト)」を発表。今後北米で発売される車両に搭載される「インフォテインメント」(スマホと連動して情報や娯楽を提供する車載システム)に利用される。これによって平面的だった画面表現が、ゲームをほうふつとさせる3Dビジュアルに変わるという。
農業機械大手のクボタは、先ほど触れた「Unreal Engine」を用いて、製品検査向けの機械学習用CG画像合成ツールを導入している。3Dの不良品画像と2Dの背景画像を合成して学習用CG画像を生成することで、製品検査の精度と速度を向上させた。
ただ、ゲームエンジンの活用はこんなものではない。この技術は生産性向上、人手不足など多くの課題を抱える日本の働き方を根本から変えていく可能性を秘めているのだ。
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