米国は「スタバ離れ」が深刻なのに、なぜ日本では好調? ドトールやコメダにはない強さとは(1/5 ページ)
米スターバックスが日本事業の売却を検討している。日本のスタバは好調で、売却額は最大5000億円になる見込みだ。国内競合のドトール、コメダ、タリーズと比べても、スタバは店舗数が最も多い。その背景を探る。
ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!
ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
- 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
- 形式:オンラインセミナー
- 参加費:無料
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
米スターバックスが日本事業の売却を検討していることが明らかとなった。近年の物価高で節約志向が高まる中、米国では低価格のコーヒーを提供する競合チェーンに客が流れ、消費者の「スタバ離れ」が進んだ。人件費や原材料費の高騰、リストラ費用がかさみ、手元資金が急速に減少。経営立て直しの原資が必要になったとみられる。一部報道によると、売却額は最大5000億円になる見込みだ。
一方、日本のスタバは好調だ。1996年の日本上陸から30年を経てもブランドは健在で、家でも職場でもない「第3の場所(サードプレイス)」としての機能を果たしている。店舗数は2000店舗を超え、業界トップだ。
競合のドトールコーヒーショップ1号店は、スタバより16年早い1980年に誕生したが、現在は1000店舗台で足踏みしている。ロードサイドが強みのコメダ珈琲店もドトールと同規模だ。1997年に日本へ進出したタリーズコーヒーは約850店舗だ。
スタバ、ドトール、コメダ、タリーズの国内コーヒーチェーン4社の特徴を比べながら、日本のスタバが好調な背景を解説していく。
喫茶店が減少する中で店舗を増やした「ドトール」
全日本コーヒー協会の資料によると、国内喫茶店の事業所数は1981年の15万4630店をピークに減少へ転じた。1999年頃には10万店を下回り、2020年代には6万店以下となった。喫茶店は飲食店としても機能していたため、ファストフード店やファミレスの影響を受けたと思われる。
喫茶店が減少する中、店舗数を増やしたのが1980年に原宿で1号店を構えたドトールだ。昔ながらの喫茶店は店員が席に来て注文を取るフルサービス型なのに対し、ドトールは客がカウンターでコーヒーを買うセルフ式で店舗を展開した。1980年代後半からFCを中心に展開し、店舗数は1996年に500店舗を超え、2004年に1000店舗を達成した。
ドトールが拡大できた理由は安さに他ならない。1980年代当時、コーヒー1杯の価格は300円台が相場だったが、ドトールでは創業から1991年まで150円で販売していた。セルフ式で人件費を削減し、テークアウト客も取り込むことで、低価格での提供に成功した。
現在は「ブレンドコーヒー」のMサイズを330円で提供しており、大手4社の中では比較的安い。しかし、低価格であるが故に出店できる立地が限られ、店舗数の拡大は鈍化している。コロナ禍移行は縮小傾向にあり、5月末時点で1074店舗を展開している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜアパホテルは「同じ部屋で4倍の価格差」で、東横インは「連休でも値上げしない」のか
同じ部屋でも週末には価格が3〜4倍以上に跳ね上がる場合もある「アパホテル」に対し、土日や繁忙期でも価格の上限を守る「東横イン」。ホテル大手2社のターゲット層の違いから、価格戦略の狙いをひもとく。
明暗分かれた「無印良品」と「ニトリ」 2社の差はどこで生まれたのか
好調な良品計画に対し、近年苦戦しているニトリHD。実はライバル関係にある2社の明暗が分かれた背景について解説する。


