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TSMC誘致で激変する熊本 地元の老舗百貨店が「台湾需要」を取り込んだ、“賢い”戦略とは?(2/3 ページ)
かつて「街の顔」として栄華を誇った地方百貨店の苦境が叫ばれて久しい。しかし中には、そうした環境の変化を好機と捉え、新たな価値創出へと舵を切る例も見られる。後編では「鶴屋百貨店」の事例を紹介する。
「モノ消費」「コト消費」に加えて「文化交流」も融合
鶴屋百貨店の台湾フェアの大きな特徴は、グルメによる集客に頼らないことだ。
会場で販売するのは小籠包や魯肉飯(滷肉飯)、台湾カステラやパイナップルケーキなど、台湾の定番グルメだけではない。雑貨や台湾茶器、台湾コスメなどを販売するほか、台湾夜市を模したゲームコーナーも設けている。
2025年秋に開催した台湾フェアに足を運ぶと、会場内では人気グルメのブースに行列ができていた。会期中には、台湾の家庭で広く使われる調理家電「電鍋」の使い方教室といったワークショップも開催。「モノを買う」「食べ物を味わう」のみならず、さまざまな形で台湾カルチャーを体験できる演出がなされていた。
鶴屋百貨店における台湾コラボの歴史は、まだ数年に過ぎない。しかし、その短期間での定着と発展は、同社が進める変革の一つの方向性を示すものだ。
台湾フェアに代表される一連のコラボは、物産展催事を「モノ消費」と「コト消費」、さらには「文化的交流」を融合させたものへと進化させた。そこでは、地元住民にとっての「旅行代替体験」と、地元住民および台湾出身者双方にとっての「文化の接点」が同時に成立しているといえる。
台湾大手企業の進出に伴う地域の変化を好機と捉えた鶴屋百貨店は、地域密着型百貨店を異文化を包摂する空間に進化させた。地域密着と国際連携を両立させることで、新たな来店動機を創出するモデルを構築しようとしている。
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