外食産業が“1000円の壁”で苦戦してるのに、なぜ「丸亀製麺」は勝ち続けるのか 唯一無二のチェーンに成長できたワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
うどん業界にとどまらず、外食全般で見ても圧倒的な存在感を発揮している丸亀製麺。なぜ同チェーンは、ここまで消費者からの支持を集め続けているのか。そして一方で、香川県では店舗網を広げられていないのか。
丸亀製麺が「本場・香川」で受け入れられにくいワケとは?
丸亀製麺は100%国産の小麦粉と水と塩を使って、全ての店で打ち立てのうどんを提供している。つまり、中間流通に支払うコストを削減しているので、安価で提供できる。また、小麦粉、製麺機、打ち立て麺を湯がいたり天ぷらを揚げたりしているところを臨場感たっぷりに見せる、オープンキッチンの強みも際立っている。エンタメ性ある体験価値を提供しているのだ。
それに加えて、2016年から始めた「麺職人」制度を発展させ、2024年には国内全店舗に麺職人を配置。今では、店の内外に麺職人の苗字が掲げられるようになった。
麺職人になるには、筆記と実技の試験を通過する必要がある。また、職人の中でも「一つ星」から「四つ星」までランク付けされている。このように会社を挙げて高品質な麺を追求している姿勢が「ここのうどんは、生きている。」のキャッチフレーズに反映されており、顧客に伝わっていることが、丸亀製麺の強さの源泉になっている。
一方で、讃岐うどんの本場である香川県では丸亀製麺の評価は厳しい。高松市内に1店舗があるのみだ。現地の人からすると、特にだしやつゆが“違う”という感覚があるようだ。
全国チェーンのはなまるうどんをはじめ、香川県のうどんは、瀬戸内海にある伊吹島(香川県観音寺市)のカタクチイワシの稚魚の煮干し、いりこを使用している。一方、2025年4月にリニューアルした丸亀製麺のだしは北海道産の真昆布をはじめ、いくつもの素材をブレンドしている。
また、香川県のうどん店は基本、いりこだしの風味を最大限に引き出すため、県内の小豆島(小豆島町、土庄町)や坂出(坂出市)、引田(東かがわ市)のしょうゆを使っている。一方の丸亀製麺では、小麦の風味が強い自家製麺に合うよう、しょうゆにだしやみりんを調合した特製しょうゆを使用している。特に香川県産のしょうゆを使っているとは記されていない。
ただし、いりこだしを使ったうどんができないわけでない。トリドールHDでは丸亀製麺とは別に「いぶきうどん」という、いりこをメインに打ち出した店を展開している。東京都内には6月末時点で4店舗ある。
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