インタビュー
人里に近づくクマとどう向き合うか オオカミが追い払い、AIが見つける試行錯誤の現場(2/4 ページ)
クマによる人身被害が過去最多となる中、対策は新たな段階に入っている。オオカミ型の撃退装置やクマが開けられないゴミ箱、AIによる検知システムなど、従来の鈴やスプレーに代わる“テクノロジー型対策”が各地で導入され始めている。
累計約400台を販売
価格は、1台60万〜65万円程度。レンタルにも対応しており、まず効果を試したうえで購入に切り替える利用者も多い。累計の販売台数は約400台にのぼり、クマ被害の拡大を背景に受注は前年後半から急増。今年の売り上げは前年比約2倍を見込んでいる。
導入先は当初、農作物の食害対策向けが中心だったが、現在はゴルフ場や山間部の工事現場にも広がっている。ゴルフ場では、トーナメント開催時にクマ対策としてレンタルする例もあるという。
特に需要が高いのが工事現場だ。山間部では電気柵や物理柵を張りめぐらせるのが難しく、これまではクマ鈴や撃退スプレーに頼るしかなかった。だが、鈴は人が活動しているときしか効果がなく、スプレーは遭遇後に使う最後の手段だ。
その点、モンスターウルフは工事のない夜間にも稼働し、夜行性のクマを暗いうちから寄せ付けない。「朝に出勤した社員がクマと鉢合わせる事態を防げる」(宮坂氏)
ただし、課題もある。威嚇音が大きいぶん、民家が近い場所では音量を絞らざるをえない。そこで同社は、音を特定方向にだけ届ける超指向性スピーカーの実証を進めており、クマへの効果も確認できたという。加えて、装置を載せた電動台車が自動で移動する次世代機「ウルフムーバー」の実証実験も福井県で進んでいる。
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