人里に近づくクマとどう向き合うか オオカミが追い払い、AIが見つける試行錯誤の現場(4/4 ページ)
クマによる人身被害が過去最多となる中、対策は新たな段階に入っている。オオカミ型の撃退装置やクマが開けられないゴミ箱、AIによる検知システムなど、従来の鈴やスプレーに代わる“テクノロジー型対策”が各地で導入され始めている。
出没をAIがいち早く知らせる
クマを早期に発見することに特化した製品も登場した。SOREST(東京都新宿区)が6月22日に出荷を始めた「MIRAI-X KUMA」(オープン価格)だ。監視カメラの映像をAIが分析し、ツキノワグマやヒグマを検知すると、パトライトやスマホアプリ、メールで知らせる。
AIの検知精度は学習データに左右されるため、国内で撮影したクマの映像を中心に学習させ、日本の環境に合わせている。クマは地域や季節、天候で見え方が大きく変わるため、海外の汎用データだけでは検知の精度が上がりにくい。
検知後は、すぐに追い払うのではなく、まず人に音声で警告して接触を防ぐ運用を勧めている。追い払っても、クマが山に戻るか市街地へ向かうかは読みにくいためだ。PC接続時は最大30台、エッジデバイス(ネットワークの末端で処理を行う機器)利用時は最大2台のカメラに対応する。
紹介した3製品のアプローチは異なるが、いずれも農地やゴミ集積所、店先といった「場所」に設置して使う点は共通する。鈴やスプレーのように、個人が持ち歩く備えとは、また違った広がり方だ。
クマの出没が日常的な問題になりつつあるいま、こうした対策製品やサービスの選択肢は、今後さらに増えていきそうだ。
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