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みずほはなぜ「中小企業」に向き合うのか 銀行が埋めようとする“空白地帯”(1/4 ページ)

みずほフィナンシャルグループは、中小企業向け金融サービスに本格参入した。安価なネット型口座と手厚い支援型という従来の二極化を、UPSIDERとの連携によるAI与信で超えようとしている。銀行の構造転換の試みだ。

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 大企業に強いみずほが、自ら「ミッシングピース」と呼ぶ中堅・中小企業に正面から向き合う。6月30日に始めた法人口座「UPSIDER BANK by MIZUHO」は、出資先のフィンテック企業UPSIDER(東京都港区)と組んだものだ。中小向けの口座は長い間、安く使えるタイプと、手厚い支援が付くが割高なタイプに分かれてきた。その二者択一をAI与信で崩せるか。同じ市場では、SMBCなど競合も動き始めている。


提携の設計図。左にみずほの「総合金融力・広大な顧客基盤」、右にUPSIDERの「AI与信モデル・プロダクト開発力」を置き、その間を「×」でつなぐ。銀行が自前で全部そろえるのではなく、足りないピースを外から掛け合わせる、という今回の発想が、この記号ひつに凝縮されている

大企業向けの銀行が、中小に向かう

 他行宛ての振り込みは一律100円、口座開設は最短即日、インターネットバンキングの月額利用料は0円――。大企業取引を地盤としてきたみずほが、創業期・成長期の中小企業に向けて並べた条件である。法人向け総合金融サービス「UPSIDER BANK by MIZUHO」は、口座と決済を起点に、法人カード、融資、人材マッチングまでを1つのパッケージで提供する。

 なぜ、いま中小なのか。みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長は、自社の戦略を4つの領域に分け、そのうち「企業の成長支援」を今回の中心に据える。この2〜3年は大企業の強みを中堅企業の成長支援に振り向け、一定の成果が出た。残ったのが中堅・中小だという。「ミッシングピースは何かというと、中堅・中小企業」。木原氏はそう語る。


みずほが中小に向かう理由を3つの数字で示した冒頭スライド。企業数の99.7%、雇用の約7割を中堅・中小が占めるという定番の統計に、「国際競争力は30位台で推移」まで並べた。一サービスの発表を、日本の競争力という大きな物語の中に置こうとする意図が透ける

 数のうえでは、中小はむしろ経済の中心にある。木原氏の説明では、日本企業の数の99.7%、働く人の約7割をこの層が占める。大企業から中小まで一貫した強いサプライチェーンをつくるには、ここを支えなければ大企業の成長もない。それが参入の論理だ。

 ただ、みずほにとって中小は手薄な領域でもあった。大企業や上場企業との結びつきが強い銀行、という像が長く定着してきたからだ。木原氏は「大企業が強いのは、おっしゃる通り」と認めつつ、「実はスタートアップにも強い」と付け加える。これまで大企業向けに磨いてきた成長支援を、手の届きにくかった中堅・中小へ広げる。それが今回の狙いになる。

 問題は、どうつくるかだった。中小向けには、これまで越えにくい構造があったからだ。

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