2015年7月27日以前の記事
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エンジニアの採用枠をトークン予算に回せるか? HRBrain常務が語る、「財布の壁」に挑む人事の未来(2/2 ページ)

HRBrainの常務執行役員CSaO小山径氏は「AIも、これからは経営資源の一つになっていく」と話す。小山氏が見据えるAI活用の展望とは?

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人事を"経営のOS"へ

 AIという新人を現場が育てるのはいい。だが、その育成を全社でどう束ね、暴走をどう抑え、人とAIにどれだけ予算を割り振るか。ここは現場の手に余る。

 「育成のロードマップや全社のガバナンスは、CHROやCIO、CISOが交わって考えなければいけない領域だ」と小山氏は指摘する。部門同士が縄張り争いで足を引っ張り合わないようにするためで「米国では3年ほど前から大きなトレンドだ」(小山氏)という。

 中でも予算は、今の仕組みでは決めきれない。AIを働かせれば、トークンという名の給料がかかる。本気でAI活用を進めている組織では、トークンはちょっとしたツール代では済まず、人件費の何割かを占める規模にまで膨らみ始めている。HRBrainもトークン予算を年間で組むが、予実を尋ねると、小山氏は「CFOが困っているらしい」と苦笑いした。

 人件費とヘッドカウントは人事部門側、トークンはIT部門側と、財布も番人も別だ。AI活用で浮いた人件費は数字で可視化でき、これから採用する予定のエンジニアの人件費をトークンに回すのは「経営としてメイクセンス(理にかなっている)」だと小山氏は言う。

 一見、暴論だが、浮いた金が見えているなら素直な算数ではある。とはいえ「『採用コストをIT部門側に付け替えてくれ』とはCIOも言えない」と小山氏は指摘する。算数は合っていても、それを決められる人が社内にいないからだ。

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「人事を"経営のOS"へ」と話す小山氏(編集部撮影)

 ならば人事がやればいい、というのが小山氏の答えだ。考えのベースとなるのが、米Microsoftのサティア・ナデラCEOによるXの投稿だ。「ヒューマンキャピタル」(人的資本)の隣に「トークンキャピタル」(AI資本)を並べ、融合させて伸ばす重要性を説明したもので、AI資本が人的資本に置き換わるのではなく、両方が必要であるとしている。

 このヒューマンキャピタル戦略とトークンキャピタル戦略を、誰がどう考えるのか。小山氏は「守りの人事から攻めの人事へ、さらに『経営のOSになり得る戦略的な部門』へと進化した人事が担い手だ」と描く。

 一方、そう甘くないと釘も刺す。「人事部門は、数年前から始まったDXの波にも、まだ対応しきれていない。AIで一足飛びに変革できるかというと、いくつか段階がある」(小山氏)。HRBrainも、まず部門を絞って動き出したばかりだという。

 これまで人事が見てきたのは、人間だけだった。これからは、その人間が「AIを使いこなせるか」を値踏みしなければならない。AIという人ならざる働き手にいくら払うかを決めるのは人事か、別の誰かか。ぼやぼやしていれば、その仕事はよそに持っていかれてしまう。

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