NEC森田社長が語る「脱・人月商売」の行方 組織の壁を破るAI人材育成法(4/6 ページ)
NECはAI時代に、いかにして稼いでいくのか。「BluStellar」(ブルーステラ)の収益構造、防衛・安全保障や海底ケーブルといった注力領域の戦略について、森田隆之社長がグループインタビューで語った。
防衛で稼ぐ 利益率10%後半が「日本の安全」に必要なワケ
――NECは防衛・安全保障関連事業を担うエアロスペース&ナショナルセキュリティ領域で、2030年度に営業利益率10%台後半を目指すとしました。その戦略についてお聞かせください。
世界的に見ると、防衛産業でより高い利益率を出している海外企業があります。防衛というと、日本では特殊な領域に見られがちです。ただ「安全保障」として見たときに、定義や考え方が変わってきていると思います。軍事にも民生にも使える技術を指す「デュアルユース」という言葉が最近使われています。ただ、このデュアルユースという言葉自体が実態を表していません。
むしろ技術という視点では、デュアルユースを考えることは当たり前だと思っています。われわれが携わっている宇宙や海底ケーブル、通信インフラなどのインフラが止まってしまうと、実質的にその安全が脅かされることを過去に経験しています。このようなものを「防衛」という言葉で一括りに議論してよいのかとも思っています。
この領域は宇宙、海底ケーブル、あるいはサイバーセキュリティなど、もはや「防衛か民生か」といった従来の二元論で語る話ではないと考えています。
当然ながら、競争環境はグローバルであり、テクノロジー領域で高い利益率を出している企業は、将来にわたって研究開発や技術開発への投資を続けることができます。そういった意味では、中計で掲げた10%台後半の利益率を上げ続けることは、日本が安全な国であること、日々のインフラの安全を保持する上でも必要なことだと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
NEC社長に聞く「フィジカルAI」の勝算 「AI・DX事業で1兆円」への手応えと課題は?
「フィジカルAI」の覇権争いが、いよいよ本格化する。なぜNECは「実世界」にこだわるのか。BluStellarがもたらす社内の変化と「AI・DX事業で売上高1兆円」への道のり、そして万博を経て「顔認証」が切り開く新たな展望について、森田隆之社長に聞いた。
NEC社長が語る経済安全保障 AIは“人間超え”、万博は“顔パス”――全方位戦略の正体
2025年、さまざまな領域で日本を支え続けてきたのがNECだ。全方位で攻勢に出た1年をどう総括し、2026年以降、日本をどこへ導こうとしているのか。森田隆之社長に、全方位戦略の展望を聞いた。
NECが万博で展開する顔認証 DXで培った「入場から決済まで」できる技術
大阪・関西万博の顔認証入場を可能にしているのが、NECの顔認証技術だ。入場だけでなく、会場内の店舗へも顔認証による決済方法を提供している。これを可能にした経緯には、NECの社内DXの取り組みも実は関係しているのだ。
NEC社長に聞く「成長戦略と人材変革」 ブルーステラ発足1年の課題は?
NECの価値創造モデル「BluStellar」(ブルーステラ)が、発足から1年を迎えた。この1年、BluStellarでNECはどのように変わったのか。BluStellarの進捗状況はどうなのか。森田隆之社長に聞いた。
NECの“眠らない要塞”に潜入 サイバーセキュリティ事業を強化したワケ
NECは、「.JP(日本のサイバー空間)を守る」をスローガンに、日本のデジタルインフラの安全性を確保するため、サイバーセキュリティ事業を強化する。
日本を守るには「国産AIが必須」──NEC社長、サイバーセキュリティ事業強化を熱弁
NECは、日本のデジタルインフラの安全性確保に向けて、サイバーセキュリティ事業を強化する。5月8日に開催したNEC サイバーセキュリティ事業説明会(住所非公表)で森田隆之CEOが発表した。
「NECのイベント」に富士通社員も登壇 オープンイノベーションに本腰を入れたワケ
NECが、オープンイノベーションに本腰を入れている。NEC Open Innovation Nightには富士通の社員も登壇。同社の取り組みの真意に迫る。
大手で進む出社回帰 NECは「リモート可→チーム出社率40%」をどう実現したのか
大企業を中心に、コロナ禍でリモートワーク導入が大きく進み、一部では生産性の低下を指摘する声も出てきた。NECではどのように働き方の変革を進めているのか。同社カルチャー変革統括部の担当者に聞いた。
NEC社長に聞く「生成AIとセキュリティの関係」 真のAIエージェントとは?
NECの森田隆之社長に、生成AI競争での同社の強みや、AIエージェントへの見解を聞いた。
AI競争は「Googleの圧勝」で終わるのか? Gemini 2.5 Proの衝撃
米国のテック系人気ユーチューバーの何人かが、こぞって「AI開発競争はGoogleが勝利した」という見出しの動画をアップしている。これでGoogleの勝利が決定したのかどうか分からないが、少なくともOpenAIの首位独走の時代は終わったのかもしれない。