「中国人観光客が原因」は誤解だった? 京都を苦しめる“観光集中”の正体:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
日中関係に溝ができ、中国人観光客が減少した今、かつて中国人観光客のせいで大混雑だといわれていた人気観光地はどうなっているのか。実際の状況を見てみると……。
外国人観光客が分散する簡単な仕組み
……という話をすると、「いやいや、地域に特色を出したところで、そんなに簡単に外国人観光客は分散しないだろ」と感じる方もいらっしゃるかもしれないが、実は、比較的導入しやすい仕組みが存在する。しかし、日本ではまだ十分に整備されていない。
それは「スピリチュアルツーリズム」だ。
これは、精神的な癒やしや自己探求、心身のリフレッシュなどを目的とする観光で、宗教上の聖地や、神秘的な力を感じられるとされるパワースポットなどが目的地となる。
「うわっ、なんかやばいやつの記事を読んじゃったよ」などと引く人もいるだろうが、世界の観光市場では立派に市民権を得たジャンルで、市場は急速に拡大している。
The Business Research Companyの「信仰ツーリズムの世界市場リポート 2026年」によると、信仰ツーリズム市場は、2025年の149億3000万米ドルから2026年には164億6000万米ドルへ拡大するとされ、年平均成長率(CAGR)は10.3%になるという。これは、世界の観光市場において、スピリチュアルツーリズムが無視できない規模に成長していることを示している。
実際、米国・アリゾナ州にあるセドナでは、地球のパワースポット「ボルテックス」を巡る旅が人気だ。インドのヨガの聖地、フランスのルルド、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路など、スピリチュアル体験を求めて世界中から観光客が訪れる。
ただ、そんなスピリチュアルツーリズムは全ての観光客に当てはまるわけではない。国のリーダーが聖書に手をのせて宣誓する国もあれば、「宗教はアヘンだ」という共産主義の国もあれば、日本のように無宗教の人が多い国もある。つまり、国によってスピリチュアルツーリズムへの理解度・関心度にはバラつきがあるのだ。
裏を返せば、スピリチュアルツーリズムは、観光客の目的地を多様化し、地域への分散を促す可能性を持っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ大阪と浅草でニュースが“逆”になるのか 中国人観光客報道の舞台裏
中国政府による「日本観光自粛」の影響が、報道するメディアによって真逆の内容になっている。なぜこのような事態が起きているのかというと……。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「日中関係の悪化」で仕事はどうなる? 900万人が不安を感じる“もしも”の話
高市首相と中国政府の間で、引くに引けない「謝ったら負けレース」が繰り広げられている。もし日中関係が今後さらに悪化した場合、日本のビジネスへの影響は――。
東横インの「47都道府県バッジ」が人気 富士山は静岡か山梨か、小さな争奪戦
東横インが発売した「ご当地GENKIバッジ」は、各都道府県の名物とホテルがデザインされた全52種のコレクション。コンプリートには47都道府県を巡る必要があり、SNSでも話題となっている。
