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「中国人観光客が原因」は誤解だった? 京都を苦しめる“観光集中”の正体スピン経済の歩き方(6/6 ページ)

日中関係に溝ができ、中国人観光客が減少した今、かつて中国人観光客のせいで大混雑だといわれていた人気観光地はどうなっているのか。実際の状況を見てみると……。

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訪日観光のアンバランスを解消するには

 もちろん、これはあくまで「傾向」である。中国人観光客の中にも、スピリチュアル体験を目当てに熊野古道を訪れる人もいれば、欧州からの観光客でも、熊野古道より、近くの白浜にあるアドベンチャーワールドを訪れたい人もいるだろう。

 ただ、一般論として、中国では自然を人間が利用・管理するという考え方が強いとされ、日本の伝統的な自然観に見られる「自然界のあらゆるものに神や精霊が宿る」というアニミズム的な考え方とは異なるとされる。欧州にはキリスト教以前の自然信仰の歴史があり、米国にも自然との結びつきを重視する先住民文化がある。そういう意味では熊野古道のスピリチュアルツーリズムとの親和性は高い。

 このように地域ごとの「個性」を明確に打ち出せば、観光客の訪問先も分散していくので、バランスも自然に取れていくものなのだ。

 しかし、日本の観光政策は、地域ごとに食、文化、歴史、自然など幅広い魅力を備えようとするあまり逆に「個性」が失われてしまっている。長時間のフライトを経て訪れる外国人観光客からすれば「ハズレ」は避けたいので、そんなエッジが効いてない、どのような観光体験ができるのか分からない場所まで、わざわざ足を運びたいとは思わない。なので、東京、大阪、京都、富士山という「ハズレなしの定番スポット」に集中してしまうのである。


2024年に話題となった「富士山ローソン」(出典:ゲッティイメージズ)

 このアンバランスを解消するには、全国の観光地がもっとエッジを立てていくしかない。心霊スポットでも、アニメの聖地でもいい。一部の熱心な旅行者を強く引き付けるくらい、特色に振り切った観光戦略を推進していくのである。

 「バランスのいい観光地」ばかりの国は、結果として多様性が失われてしまう。観光客から見ても「どこに行ってもそこそこ」なので、簡単に飽きられてリピートにつながらない。

 インバウンド需要を盛り上げていくためにも、そして京都のような有名観光地の混雑を解消するためにも、日本の観光業は「偏る勇気」を持つべきではないか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受


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