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副業人材を“数合わせ”に使う企業はもう手遅れ!? 生成AI時代の採用難に負けない、IT人材戦略のイロハ(1/5 ページ)

副業エンジニアの受け入れに関心はあるものの、一歩を踏み出せていない企業は少なくありません。新しい副業時代において、企業が人材難に陥らないための考え方や、人材戦略の再設計について考察します。

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著者:芦野成則

レバテック株式会社 リクルーティングアドバイザー

一橋大学を卒業後、官公庁に5年半勤務し、2019年にレバレジーズに中途入社。企業の採用支援を行うリクルーティングアドバイザーとして、多角的な視点から採用支援を実施

 副業エンジニアの受け入れに関心はあるものの「情報漏えいが心配」「管理が大変そう」「正社員採用とどう違うのか整理できていない」といった懸念から、一歩を踏み出せていない企業は少なくありません。

 確かに上記リスクへの対策は欠かせませんが、採用現場で起きている変化を見ると、副業は収入を補填(ほてん)する手段にとどまらなくなってきています。エンジニア個人にとってはキャリアを自律的に設計するための選択肢であり、企業にとっては正社員採用では確保が難しい、高度な専門性を取り込む新たな調達チャネルになりつつあるのです。

 レバテックの調査によると、副業エンジニアを活用していると答えた企業はわずか13%でした。一方、別の調査では、副業エンジニアを活用している企業の約7割が「期待を上回った」と回答しており、想像以上の効果を感じている企業が多いことが分かります。

 また、正社員のエンジニアのうち、半数ほどが「副業が認められている」(50.7%)と回答しています。IT人材全体で見ると、副業経験者は全体の約2割にとどまるものの「興味はあるが、したことはない」(44.9%)と回答した潜在層が全体の半数を占めることから、副業そのものへの関心はかなり広がっているといえるでしょう(「レバテックIT人材白書2026」より)。

 副業に取り組むエンジニアや副業エンジニアの活用を検討する企業の双方と接する機会が増えています。この変化は、一時的なブームというよりも、働き方と人材調達の在り方が変わり始めていることの表れだと感じています。

 新しい副業時代において、企業が人材難に陥らないための考え方や、人材戦略の再設計について考察します。


これからの「副業」を再考する(出所:ゲッティイメージズ)

副業=カネのため、だけではなくなりつつある

 先述の調査2026によると、副業に関心を持つ理由として最も多いのは「収入源を増やしたいから」(78.5%)です。これは自然な結果でしょう。一方で「スキルアップしたいから」(32.9%)、「自身のスキルを試したいから」(22.3%)といった理由も上位に挙がっています。

 ここで注目したいのは、ITエンジニアのキャリア観の変化です。

 これまでは、1社に長期間在籍して経験を積みながらキャリアを形成することが一般的でした。しかし、生成AIの普及やDXの加速、事業環境の変化などにより、1社の中だけで、今後必要になる経験を全て積むことは難しくなっています。

 そこで会社にキャリアを委ねるのではなく、個人が主体的に学び、経験を積み、市場価値を高めていく考え方が広がっています。

 学術的には「プロティアンキャリア」と呼ばれる考え方で「自分自身でキャリアを設計する」という発想です。例えば、本業では開発経験をあまり積めないため、副業案件でAIを活用した開発経験を積む、といったケースです。

 先述した調査によると、副業を始めて良かったことの1位は「収入が増えた」(59.5%)でした。以降は「気分転換になった」(41.1%)、「新たな人脈ができた(23.3%)、「新しいスキルを習得できた」(22.4%)」が続きます。副業は金銭的なメリットだけでなく、経験や人脈、自己成長にもつながる選択肢として捉えられ始めているといえるでしょう。

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