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「いっそ全員出社にしてください」 出社とテレワークの“不公平感”はなぜ生まれるのか「キレイごとナシ」のマネジメント論(1/4 ページ)

出社回帰を進める企業は少なくない。「公平性を保つため」という理由は、一見すると誰もが納得しやすい大義名分だ。しかし、この判断は本当に公平なのか。

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「キレイごとナシ」のマネジメント論

常に目標を達成させる「常勝集団」をつくるために、キラキラしたビジネスtipsは必要ない。組織マネジメントを専門とする横山信弘氏が、本質的なマネジメント論を「キレイごとナシ」で解説する。

著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)

企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。


 「なぜ私だけ、電話番をしなければならないんでしょうか……」

 ある職場で、出社している社員がそうつぶやいた。テレワークをしている同僚は、涼しい顔でオンライン会議をこなしている。自分だけが、来客対応や電話応対に追われている。


出社回帰はすべきか(ゲッティイメージズ)

 このような不公平感が積もり積もった結果、

 「もう全員、出社にしてくださいよ」

 「私は、こんなに暑いなかでも、毎日出社してるんですよ」

 という声が上がるのだ。

 実際このロジックで出社回帰を進める企業は少なくない。「公平性を保つため」という理由は、一見すると誰もが納得しやすい大義名分だ。しかし、この判断は本当に公平なのか。

 そこで今回は、こうした不公平感を理由に「全員一律出社」へ戻す動きを取り上げ、その判断が本当に正しいのかを考えたい。柔軟な働き方に悩む経営者やマネジャーはもちろん、事情を抱えながら働くビジネスパーソンにも、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

なぜ「不公平感」が生まれるのか

 テレワークが広がったことで、新しい形の不満が職場に生まれている。出社している社員が、テレワークをしている社員に対して抱く不公平感だ。

 電話応対や来客対応、郵便物の受け取りといった業務は、出社しなければ対応できない。テレワークをする人が増えれば増えるほど、出社している人一人当たりの雑務は増えていく。自分の仕事の合間に何度も対応を迫られ、業務に集中できず、結果として残業が増えることもある。

 「なぜ自分だけ雑務をしなければならないのか」

 「テレワーカーは自分の仕事だけすればいいから、気楽でうらやましい」

 こうした不満が、出社組とテレワーク組の間に溝を作っていく。

 さらにテレワークをする人には、通勤の負担がなく、身支度にかかる手間も最小限で済む。就業直前までプライベートの時間を確保できることも、出社組から見れば「ずるい」と映りやすいのだろう。

 ある営業アシスタントのAさん(23歳)は、実家がラーメン店を経営している。そのため、テレワークなどとてもできないという。

 「家にそんなスペースはないし、店員やお客の声が聞こえてくるんです」

 ある総務課のBさん(53歳)は、家に認知症の母親がいる。在宅で仕事をしていると、部屋に入ってきてしまうため、オンライン会議どころではない。

 「自分だって、テレワークすればいいんだよ」

 と軽々しく言う上司がいるが、家庭にはそれぞれ事情がある。

 「出社したくてしてるわけじゃない。家で仕事できないから、出社しているだけなのに」

 このような人も、少なくはないのだ。

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