2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

「寝ていない自慢」の上司が職場を壊す――睡眠不足という感染症と「3つの行動管理」(1/3 ページ)

経営層の過労・睡眠不足は深刻な経営リスクだ。認知低下を自覚できない「慢性短時間睡眠」は組織を蝕む。プロこそ自分の睡眠を「測る・直す・守る」行動管理が求められる。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!

photo

ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。

AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。


  • 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
  • 形式:オンラインセミナー
  • 参加費:無料

著者プロフィール:村上 ゆかり

コラムニスト。1児の母。リクルートにて人材業界で法人営業、面接、面談フォロー実績数百件を経験。人事役員などと伴走しさまざまな人事課題に向き合う。広告業界にて5000人集客イベント企画&事務局経験、福祉業界では人事管理職として新卒及び中途採用を1人で設計から実務まで担当し年間約120人採用を達成。国会議員秘書約4年半を経験後、フリーで活動を始め、執筆のほか企業の人事採用コンサルタントなどを手掛ける。アンガーマネジメント講師。

 7月20日、高市早苗首相が自身のXで「総理就任以来、0〜3時間睡眠が常態化」していると投稿したことが大きな波紋を呼んでいる。

 高市首相は2025年11月の参院予算委員会でも、最近の睡眠は「大体2時間から、長い日で4時間」と答弁している。素直に読み取ると、首相就任以来9カ月にわたって0〜4時間という睡眠時間が続いていることになる。

 責任ある立場にある人にとって、睡眠不足は本人だけではなく組織全体に負の影響をもたらす。本稿では、睡眠不足が引き起こす仕事・健康・組織への影響と、実行すべき3つの行動管理について解説する。


睡眠不足が引き起こす負の影響は、本人だけにとどまらない(ゲッティイメージズ、以下同)

睡眠不足かつ、働きすぎている可能性

 厚生労働省の国民健康・栄養調査(2023年)によると、睡眠時間が6時間未満の人は男性が38.5%、女性が43.6%で、男性の30〜50代に限ると4割を超える結果となった。

 また、経営層に目を向けると「働きすぎ」な実態がうかがえる。過労死等防止対策白書の調査では、週60時間以上働く法人役員は9.3%に上る。これは、いわゆる「過労死ライン」(月平均80時間以上の時間外労働)に相当する水準だ。

「パフォーマンス低下」は自覚できない

 睡眠不足による真のコストは、単なる眠気や疲労感ではない。

 睡眠不足に関する代表的研究であるヴァン・ドンゲン氏らの実験では、1日6時間睡眠を2週間続けた被験者の認知機能は、「2日間徹夜した状態」に匹敵する水準まで低下した。

 注目すべきは、眠気の度合いが途中で頭打ちになったことである。被験者は「多少眠い」程度にしか感じていないのに、客観的な成績は下がり続けていたのだ。慢性的な睡眠不足の状態では、眠気に慣れ、能力だけが低下する。

 「自分は多少寝ていなくても大丈夫」という感覚は、実は強がりではなく本心なのだ。だからこそたちが悪いともいえる。特に「判断の質」そのものが成果物である経営者や管理職にとって、これは致命的な問題といえよう。


パフォーマンスの低下を自覚できていない可能性がある

 もちろん健康上のリスクもある。睡眠時間が6時間未満の状態が続くと、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病、うつ病などのリスクが高まることが多くの疫学研究で示されている。代替が難しい経営者の身体に、睡眠不足は深刻なダメージを与えうるのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る