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「困ったらググる」から「AIに聞く」へ LIXILがFAQを「AIの一次情報データベース」に作り替える理由(4/4 ページ)

検索エンジンから生成AIへとユーザーの行動が変化する中、企業FAQの役割が大きく変わりつつある。LIXIL等の事例を通じ、従来の「購入後のトラブル解決」から「購入前の疑問解消」へと守備範囲を広げるFAQの重要性を解説。AIに正しく認識・引用される「一次情報データベース」の整備が、将来のコマース参入への鍵となる。

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「答える」の先にある「売る」

 AIに読まれるサポート情報の整備は、問い合わせ削減では終わらない。その先に、AIが購買を仲介する「エージェンティックコマース」への接続がある。

 小売りでは動きが始まっている。メルカリは6月、OpenAIの「Apps in ChatGPT」に公式アプリを提供し、ChatGPT上の対話で商品検索や出品準備ができるようにした。金融でも、三菱UFJ銀行でデジタル推進を担う幹部が「AIに金融サービスを理解してもらい、AIが解釈して消費者に伝えていく」ことへの関心を口にする。AIが複数のサービスを横断して消費者を支援する世界では、AIに正しく理解されることが競争条件になるという読みだ。

 LIXILの場合、AI経由の調べものは、まだECでの購買にはつながっていない。それでも長崎氏は将来像をこう描く。「サポートページ自体がAIのプラットフォームになっていて、検索から解決、その先の購買までがシームレスな作業として終わる形ができるのがベストだ」。FAQ単体ではなく、LIXILの窓口全体としての考え方だという。

 洛西氏の言う「隠す意味はなくなる」は、この文脈では購買の入口の話になる。顧客が企業サイトに来る前に、AIが情報を集め、比較し、候補を提示する。そこで参照されるのは、AIが読める形で公開された情報だけだ。サポート情報を整備した企業とそうでない企業の差は、顧客が来訪する前、汎用AIの回答の中で知らないうちに差が広がっていく世界になる。

 FAQの整備は地味な作業だ。だがその積み重ねが、AIに答えてもらえるかを決め、次はAIに売ってもらえるかを決める。カスタマーサポートで始まったAI向けの情報整備は、コマースの競争の前提になりつつある。

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