2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

「AI、結局使えないじゃん」問題 セールスフォースが431万件対応で導いた正解(2/2 ページ)

AIエージェントの導入が進む一方、全社的な利益改善に至る企業は4割弱にとどまる。そんな「AI導入の壁」を破り、自社実践(カスタマーゼロ)で431万件の顧客対応を完了、商談数を4〜5割増加させたのがセールスフォースだ。同社はなぜ明快なROIを生み出せるのか。データやKPIが整う領域の選定や「シンプルで高頻度な業務」から任せる鉄則など、AI投資を成果につなげる運用の方法論を田中遼太COOに聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

パスワード再設定から任せよ 「シンプル×高頻度」業務から商談4割増

――サポート領域と営業領域という2つの取り組みは、成功しやすい条件が共通しているからこそ優先順位を付けやすかったということでしょうか。

 優先順位という考え方も一つありますが、それ以上に、どの業務をエージェントに任せるかという視点が重要だと思っています。ユーザーからの問い合わせにはさまざまなパターンがありますが、シンプルで発生頻度の高いものであれば、サポート領域でも営業領域でも同様に、まずエージェントに任せた方がよいと考えています。

 例えば「パスワードの再設定」は、特に多い問い合わせです。こうした対応にまだ人が介在している部分があるなら、エージェントだけで完結させた方がよいでしょう。一方で、製品の使い方に関する非常に複雑な問題であれば、入り口は同じエージェントであっても、最初から最後までエージェントだけで対応するのではなく、途中から人に引き継ぐワークフローにした方がよいということになります。

 つまり、最初から複雑な問題をどうエージェントに対応させるかを考えるのではなく、まずはシンプルで頻度の高い業務から着手して効果を最大化し、そこから少しずつ対応範囲を広げてチューニングしていく方が、結果的にエージェントが活躍できる領域を着実に広げることにつながると考えています。

――AIエージェントの導入によって、特に投資対効果が高かったと感じている部分はどこでしょうか。

 サポート領域では、業務の6割から7割程度をエージェントが人に代わって対応できています。件数が増えても同じ割合で自動的に対応できる点が大きいです。営業領域では、商談数が4〜5割程度増えました。いずれも、データが整備され、業務フローが定型化され、KPIで効果を測れる領域だったからこそ、成果がはっきり見えたのだと考えています。

 一方で、全体としてどれくらいの効果があったのかを売り上げベースで捉えられないかという議論も進めていますが、正直なところ、まだ明確な数値として示せる段階には至っていません。エージェントが直接対応している部分以外にも、人が担当している業務の生産性が上がったり、マネジャーの取り組み方が変わることで組織自体が変わっていったりといった副次的な効果があるためです。

 こうした履歴が積み重なって、経済効果として表れてくるものだと考えています。測定方法については、カスタマーゼロのグローバルチームの中に効果測定を専門に議論するチームがあり、そこで検討を進めています。

ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!

photo

ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。

AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。


  • 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
  • 形式:オンラインセミナー
  • 参加費:無料

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る