コロナ禍→本拠地移転 ファイターズ「ファンクラブ」仕掛ける29歳マネジャーが語る激動の6年間:教えて! あの企業の20代エース社員(2/2 ページ)
ファイターズ スポーツ&エンターテイメントで、29歳の若さでマネジャーとして活躍する北村達哉さん(29)。北村さんが新卒で入社した2020年以降、ファイターズ スポーツ&エンターテイメントは激動の道を歩んできた。若きリーダーは、この6年間をどう過ごしてきたのか。
「コロナ禍」「3年連続で会員減」苦しい時期も モチベーションどう保った?
エスコンフィールドへの来場者数は、開業から右肩上がりの成長を見せる。2025年の観客動員数は、459万人(前年比10%増)と過去最高を記録するなど、好調だ。
しかし、北村さんの入社以降、ずっと順風満帆というわけではない。苦しい時期もあった。
入社直後の2020年は、コロナ禍での入場制限により新規会員獲得が難しく、3年連続で会員数が減少する厳しい時期を過ごした。「効果的な施策を見つけにくく、新規会員獲得の面では、モチベーションを見いだすのが難しい時期だった」と振り返る。
北村さんは「新規獲得が難しい環境だったからこそ、すでに会員になっていただいているファンのみなさんにどう喜んでもらうかという部分の方が考えやすかった」と続ける。
北村さんが考案した企画を、球場でファンが体験する姿を現地で何度も見た。
「出身が北海道ではないため、ファイターズファンの皆さんが何を求めているか、どういうところで喜んでいただけるかを、札幌ドームの3年間でインプットできました。振り返ると、いい3年間だったと感じています」
「ラッキーだった」 20代の若さでマネジャーに
2024年からは、グループ長に就任し、マネジャーを務める北村さん。20代の若さでグループ長となり、年上のメンバーもいたというが「身構えることなく挑めた」と話す。
「驚きはしたが、何とかなると思ってもらえていると感じていました」
若くしてリーダーに抜てきされた理由について、北村さんはここでも「ラッキーだった」と答える。
「上長の考えや意見に違和感なく納得できる場面が多くありました。若干おこがましいですが、感性が近かったと思っています」──自分の意見に同意し、応援してもらえる環境があった。
グループ長就任後は、チームのメンバーが少ない時期もあり、大きな心情の変化はなかったという。
「今でも自分でボールも持っているし、札幌ドーム時代と変わらないくらい現場にもいます。やるべきことはやりつつ、同じような意識の中で自然とやれてきましたね」
メンバーのモチベーションを上げるための工夫 「取りあえずやってみる」
取材時、北村さんは5人のメンバーを抱えていた。最も重視しているのは「モチベーション」だ。
大学時代に監督不在の軟式野球部でキャプテンを務めた。当時「ほぼ監督の役割」を担った経験が生きていると話す。当時から意識していた「みんなが楽しく部活に行きたいと思える状況づくり」が今でも考え方の軸となり、メンバーのモチベーション向上を最優先に考えている。
「『取りあえずやってみる』のがいいかなと思っています。絶対にそれはやばいだろう、と思うものは止めますが、それ以外はいったんやってみる。やってみないことにはどうなるか分からないですし、やる前に止められてばかりだと面白くない。取りあえず一回やってみた上で、どうなるかを見てみようという方針です」
ライト層も来場しやすい「仕組み」を作る
エスコンフィールドに移転以降、来場者は右肩上がりで増えている。チームの戦績も好調で「困難はあまり感じていないのが正直なところ。(ファンクラブ)会員も増えやすい環境にある」と北村さんは話す。
7月からはプロダクトマネジメント部のチケットグループへ異動した北村さん。部署が変わっても「チームが多くのファンに応援され、エスコンフィールドを全試合満員にし続ける」という本質的な目標は変わらない。
エスコンフィールド開業やチームの好調による一過性の「ブーム」で終わらせず、何もしなくても当たり前に満員となるような「文化」として定着させることが、今後のテーマだ。
「プロ野球と言えばファイターズと言われるように、今後3年間で何をするかが重要です。チケット販売方法を工夫し、ただ売るだけでなく、新規ファンとコアファンの双方が来場しやすい仕組みを作っていきたい」
取り組むべき課題もある。現在はシーズンシート購入者の増加に伴い、新規・ライト層がチケットを買いにくくなっているという。
「今までのやり方を続けるだけでは、文化にするのは難しいと感じています。今後また、厳しい状態に戻る可能性もある。どんな状況にも耐えうる仕組みを構築することが、今後の鍵となります」
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