軽EV「ラッコ」は日本で売れるのか BYDが抱える、中国メーカーならではの課題:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
BYDの軽EV「ラッコ」がいよいよ発売された。装備や価格でも国産の軽EVと勝負できる製品に仕上がっているが、品質には不安が残る。品質の高さを求めるユーザーが多い日本市場で定着できるだろうか。
高根英幸 「クルマのミライ」:
自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。
7月28日、BYDの軽規格EV「RACCO(ラッコ)」がいよいよ発売された。昨年の「ジャパンモビリティショー2025」でコンセプトモデルをお披露目してからおよそ9カ月、話題となっていた初の輸入軽EVが市場へと放たれたのだ。
BYDの王伝福会長は、来日時に街を走る多くの軽自動車を見て、その場で開発命令を出したという。それから3年足らずで発売へこぎつけたそのスピードは、驚異的と言わざるを得ない。
また、装備面や価格でも国産軽EVと勝負できるレベルに仕上げている。国の補助金こそ少ないものの、東京都など自治体からも補助金が下りれば実質100万円台前半で購入できる。魅力に感じる人もいるだろう。
BYDにとって日本市場の切り札ともいえるニューモデルであり、絶賛する記事も見かける。だが、その売れ行きには早くも不安材料が見え始めている。
先日、中国ではBYDの高級EVが走行中に駆動用モーターを落とした、という事故がSNSなどで話題となった。こうしたニュースを目にすると「見た目や装備は立派だが、信頼性や耐久性は大丈夫なのか?」と思う人も少なくないはずだ。
元日産のエンジニアが開発を担当し、日本の軽自動車を徹底的に研究したとされていても、品質に不安が残るという声もある。
その不安はどこから来るのか。前述のような中国での事故や故障トラブルだけではない。不安要素はほかにもある。
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