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BYDの軽EVは日本で売れるのか 苦戦が予想される“これだけの理由”高根英幸 「クルマのミライ」(1/6 ページ)

中国のBYDが日本で軽自動車のEVを投入すると話題になっている。しかし、日本で売れるのかは微妙だ。その背景には、モノづくりに対する根本的な考え方の違いがある。品質に対する姿勢が従来と変わらないなら、日本ではあまり受け入れられないだろう。

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高根英幸 「クルマのミライ」:

自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。

 中国の自動車メーカーBYDが、日本の軽自動車の規格に合わせたEVを開発して日本市場に投入すると話題になっている。それも2年後、3年後の話ではなく、2026年中だというから相当なスピード感だ。

 突然降って湧いたような話に、日本の軽自動車メーカーの危機感をあおるような記事を見かけるが、筆者はいろいろな意味で、この話は懐疑的に見ている。


BYDが現時点で持つラインアップのうち、最もコンパクトなモデルSeagull(シーガル)。軽規格EVはこれをベースにダウンサイジングするのではなく、新設計となる模様だ(筆者撮影)

 まず、BYDが軽自動車の生産に乗り出すのは間違いないとして、それが日本でヒットするかはかなり微妙なところだ。EVに対する捉え方や感覚が、日本人と中国人とでは違うからだ。

 それは「中国製=品質が低い」といった古い認識や「中国が嫌いなので、中国製品は買わない」といった感情論などとはまったく次元の違う、モノづくりに対する根本的な考え方の違いだ。

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