TBSテレビが系列局と作った「12社共生オフィス」 赤坂のワンフロアに集結した理由(1/2 ページ)
出社回帰に伴う「座席・会議室不足」や「交流不在」の課題を解決するため、TBSテレビとJNN系列12社が赤坂の1フロア1000平米に集結した。新オフィス「JNN Park!」をゼロから設計。外資系シェアオフィス時代の不満を吸い上げ、ガラス張りの開放的な空間や充実した共用設備を整備した。若手増員やモチベーション向上、系列間の共創を生み出す異色のオフィスづくりの裏側に迫る。
出社回帰の波が鮮明になっている。米Amazonや米Googleが出社頻度を上げたことが話題になったほか、日本国内でもコミュニケーションの活性化を通じた生産性向上を目的に、社員をオフィスに引き戻す企業が増えた。
ただ、コロナ禍以降に「フルリモート」前提のオフィスに作り替えていたケースも少なくない。出社したはいいものの、座席も什器も足りず、フリーアドレス制でも交流はさして生まれない……そんな課題を抱えた企業も多い。
TBSテレビと系列局12社は協力して、出社回帰による課題を吸い上げてオフィスを一から設計し直し、新オフィス「JNN Park!」を作り上げた。JNN Park!は、単なるオフィスの引っ越しにとどまらず、系列局同士やビジネスパートナーとのつながりを強化する場として活用されている。
JNN Park!構想について、TBSテレビ メディア戦略局 ネットワーク部の筧哲一氏に聞いた。系列局とともにゼロから取り組んだ異色のオフィス作りに迫る。
筧哲一(かけひ・のりかず) TBSテレビメディア戦略局ネットワーク部。早稲田大学卒業後、1993年4月に東京放送(現TBSテレビ)入社。ラジオ営業局、テレビ営業局、スポーツ局、情報制作局を経て、2022年7月から現職(以下クレジットのない写真はアイティメディア撮影)
ワンフロア1000平米に12社が集結 系列局とオフィス整備
JNN Park!は、TBS放送センターに隣接する赤坂パークビルの15階にある。エントランスから入ると広いフリースペースがあり、窓沿いにはTBSをキー局とするジャパン・ニュース・ネットワーク(JNN)の系列局12社の東京支社が並ぶ。
印象的なのはオフィス全体が明るいことだ。これは大きな窓から自然の光が入ることに加えて、系列局の東京支社とフリースペースがガラスで区切られているためである。
広さは約1000平米。フリースペースの他にもさまざまな共用スペースを設けた。会議室は収容人数が16人の部屋から4人の部屋まで、5つのタイプを用意している。オンライン会議や電話に使える個室ブース8台や、席に着いている人には話しかけないルールの「集中ブース」も6席設けた。持ち運びが容易な大容量のポータブルバッテリーも自由に使えるようにしている。
シェアオフィスで直面した「3つの課題」 どう解消した?
系列局の東京支社は2020年以前には、東京の銀座や新橋、築地などにあるさまざまなビルに、それぞれ単独でオフィスを構えていた。しかし入居するビルの賃貸契約の更新などの際に、コスト面でのメリットなどをあらためて計算したとき、従来の個別オフィスではなく「シェアオフィス」にするという選択肢が挙がってきたという。
加えて、コロナ禍での出社比率の低下もあった。そこで、当時のTBSテレビ社長だった佐々木卓現取締役会長がJNN系列各局に声をかけ、2021年に10数社が集まって、赤坂にある外資系のシェアオフィスに引っ越しを決めたのだ(【TBSと地方局、「放送業界初」の狙いは? JNN系列地方局の約半数が東京支社をシェアオフィスに移転】参照)。
ところが、コロナ禍が落ち着いて徐々に出社人数が増えてくると、オフィスが狭く感じるようになる。会議室の利用が有料だったことも、系列局にとっては悩みの種だった。10数社が複数のフロアに分かれて入居し、さらに共有スペースがまた別のフロアにあったことで、当初考えていた系列局同士のコミュニケーションを深めることも十分にできていなかったという。
TBS担当者たちは、各局からさまざまな意見を吸い上げているうちにJNN Park!を構想するようになったと明かす。
「出社回帰が進む中で、系列局の皆さんから意見や悩みを伺い、何とか最適な形にできないかと考えていました。そのうちに、系列局の皆さんが入居している外資系シェアオフィスの更新時期が近づいてきました。まだ移転先は何も決まっていなかったのですが、まずは全社一緒に引っ越しをして、新たなオフィスを作ることだけ合意して、場所を探し始めました」
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