逆パワハラに怯える管理職、放置する経営陣――「ハラスメント対応をあいまいにする会社」が自滅する理由(1/3 ページ)
「指導したらパワハラ」と萎縮する管理職が増えている。原因は部下ではなく、ハラスメントの判断や対応を曖昧なまま現場に丸投げする会社組織だ。組織が負うべき「判断の責任」と明確な対応ルールを提示する。
「ちょっと厳しく指導したら、パワハラだと言われた……」
多くの管理職は部下からハラスメントを指摘されることにおびえている。こうした訴えを恐れ、本来行うべき指導まで萎縮してしまう人もいる。
このような、部下から上司への「逆ハラスメント」が昨今話題になっている。実は、この問題の本質は部下にあるのではない。ハラスメント発生後の対処があいまいになっている、会社組織にあるのだ。
多くの管理職は萎縮している
パーソル総合研究所が全国の就業者2万8135人を対象に実施した「職場のハラスメントについての定量調査」によれば、上司の81.7%が「部下がミスをしても、あまり厳しく叱咤しないようにしている」と答えた。「自分のマネジメントがハラスメントになるのではないかと気を使う」人も4割を超えている。
部下にはどう見えているのか。同調査によると「上司からのフィードバックが少ない」が35.8%、「上司は自分を育てる気がないと感じる」が33.3%という結果に。上司が「配慮している」つもりの行動が、部下には「関心を持たれていない」と映っているのだ。
厚生労働省のハラスメント指針では、ハラスメントについて「業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しない」と明確に除外している。しかし、この基準が現場で使える形に「翻訳」されていない。
前述のパーソル総合研究所の調査は、企業が実施するハラスメント研修のうち「部下とのコミュニケーション方法」まで含む研修は約3割にすぎないと指摘している。つまり、管理職の多くは「何がパワハラに当たるのか」だけ教えられており、「どう伝えたらよいのか」は現場、つまり各々の判断に委ねられているのが現状だ。
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