トヨタやNTT、東急が「マッチングアプリ」を福利厚生に なぜ企業が社員の恋愛を支援するのか(1/3 ページ)
トヨタ自動車やNTTグループ、東急など、マッチングアプリを福利厚生として導入する企業が広がっている。なぜ企業は、社員の「恋愛」まで支援するのか。その背景には、働き方や結婚後の生活を巡る企業側の課題があった。
福利厚生として「マッチングアプリ」を導入する動きが広がっている。Aill(エール、東京都中野区)が2021年から企業向けに提供している「Aill goen」(エール ゴエン)は、導入企業の独身社員が利用できるマッチングアプリだ。
「共働き・共育て」の価値観に賛同し実践する企業に向けて提供しており、現在は1600社以上が導入している。イトーキやスギ薬局、りそなグループ、NTTグループ、東急、トヨタ自動車といった大手企業での導入も多い。
なぜ、企業が社員の恋愛をサポートするのか。
Aill goenの仕組み
Aill goenの利用者はまず、自分のプロフィールを登録する。一般的なマッチングアプリと異なるのは、写真や年齢、居住地などだけでなく、マッチング後の生活を見据えた「価値観」を細かく設定する点だ。
例えば、転勤の有無やリモートワークか出社かといった働き方、希望する将来のキャリア、結婚や子どもについてに加え、家事や育児をどの程度担えるのかをパーセントで記入する項目もある。
こうしたプロフィールをもとに、AIが1日1人、ワークスタイルやキャリアプランなどを軸に、価値観が近く関係が進展する可能性が高いと判断した相手を紹介する。同じ会社の人とマッチングすることはなく、他社の社員同士でマッチングする仕組みだ。
例えば、全国転勤の可能性がある人と、場所を問わず働けるテレワーク中心の人を組み合わせるといった形で、将来の生活まで考慮して推薦する。仕事と家庭のバランスについても「仕事7割、家庭3割」を希望する女性と、「仕事3割、家庭7割」を希望する男性をマッチングするといった具合だ。
Aill goenの利用者は年代別に見ると、20代が4割、30代が4割、40代以降が2割を占める。結婚後の働き方については男性会員の43%が「共働き希望」、45%が「こだわりなし」と回答。女性会員では「共働き希望」が61%、「こだわりなし」が32%だ。
互いの働き方や家庭への考え方を補い合い、交際が成立した後も、2人が社員として働き続けられる関係を作ることを目指している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「バルコニーなし」の住宅が5年で約3倍に、なぜ? 背景にある“働き方”の変化
新築住宅からバルコニーや和室が減っている。かつて当たり前だった空間は、なぜ姿を消しつつあるのか。住まいの変化から、現代の暮らし方を読み解く。
「部長、それってアゲですか?」 沈黙の会議を壊すギャル、大手企業が頼るワケとは
企業の会議に“ギャル”が入り、ため口やあだ名での対話を通じて本音を引き出す「ギャル式ブレスト」が注目を集めている。なぜ今、ビジネスの現場でギャルが求められているのか。「ギャル式1on1」の体験取材とともに、その背景を探った。


